ハウスメーカー選びに失敗した人は、「ここのハウスメーカーはやめた方がいい」と言うかもしれませんし、SNSやインターネット上に書き込むかもしれません。しかし、同じハウスメーカーで購入した人でも「満足している」と言う人もいます。
まずはじめにお伝えしたいのは、誰にでも共通する「建ててはいけないハウスメーカー」は存在しません。そんな単純な話ではありません。なぜなら、人それぞれ予算も価値観も異なるからです。さらに、ハウスメーカーに対しての期待値や、家づくりに関しての知識量も人それぞれ異なります。
そして、最大の大きな違いは、営業担当者もそれぞれ異なることです。
ハウスメーカー選びの失敗や後悔には、さまざまな理由や原因があります。「担当者の営業トークに乗せられてしまった」と後悔する人もいれば、「営業マンの提案に違和感を感じ他社で決めて良かった」と満足度が高い人もいます。
結局は、自身が検討して選択した結果が、後悔や失敗を招くこともあり、満足度の高い家づくりになることもあるということです。
ハウスメーカーは契約をしてもらうことが目的ですし、不誠実な営業マンも存在します。家づくりを成功に導くためには、家づくりに関する知識を習得し、営業マンやハウスメーカーを選ぶ力を付けるしかありません。
この記事では、「建ててはいけないハウスメーカーの特徴」を15項目にまとめました。避けた方がよい特徴や注意が必要な特徴を抑えて、後悔しない家づくりを目指しましょう。
建ててはいけないハウスメーカーの特徴:15選
建ててはいけないハウスメーカーの特徴には、営業マンの問題とハウスメーカー自体の問題があります。また、ハウスメーカー自体の問題でも、営業マン次第ではトラブルや失敗を防ぐことができることもあります。
建ててはいけないハウスメーカーの特徴:営業マン編
1:過剰な営業トーク
営業マンがやたらと契約を急かす、過剰なセールストークを展開する場合、注意が必要です。実際の内容や費用が不透明なケースが多く、冷静に判断できないまま契約してしまうと、後から後悔することが少なくありません。
トラブルやクレームが多い傾向にある営業マンは存在します。
トラブルやクレームが多い営業マンの特徴
- コミュニケーション能力が高い
- なんでも出来ると言って安心させる
- デメリットを伝えない
- 意見が抽象的
- レスポンスが遅い
知識も貧しく、コミュニケーション能力も低い営業マンは、なかなか契約に結び付きません。しかし、知識や実績が少なくても、コミュニケーション能力が高く、安心感を抱くことができる営業マンはいます。
このようなケースでは、「言っていたことと現実が違う」「追加で料金がかかると思っていなかった」「そんな認識では捉えられなかった」などの問題が後々に起こるケースがあります。
デメリットを伝えずに良いことばかり言う特徴があり、意見が抽象的です。また、何らかのトラブルが起こったり、確認が必要なことがあると、レスポンスが悪い傾向もあります。
このような営業マンに対しては、質問を掘り下げることで素性がめくれてきます。
営業マンの意見や提案に対して、より深く考えて質問をすることで、営業マンに対しての違和感に気が付くこともあります。「なぜ?」と感じることに対しては、信用し過ぎずに質問や提案を掘り下げることが大切です。
2:営業担当者の知識や経験不足
営業担当者が住宅の仕様や建築についての知識が不足していると、適切なアドバイスが受けられません。知識が豊富でない担当者は、顧客の希望に沿った提案ができず、理想の住まいを実現することが難しくなります。
注文住宅において、営業担当者の存在は想像以上に大きいです。
注文住宅では、営業担当者との二人三脚でほとんどの事を一緒に決めていきます。担当者の知識や経験が不足していると、後から後悔を招く可能性のある事項に気付かずに話が進んでしまいます。
複数のハウスメーカーや営業マンから提案を受けることで、より多くの情報や考え方を知ることができます。また、インターネットを活用して、情報収集や家づくりの知識について学ぶ姿勢も大切です。
3:設計の提案力が弱い
顧客のニーズに応じた柔軟な提案ができない営業マンは要注意です。理想の住まいを形にするには、豊富なアイデアと提案力が不可欠ですが、それが欠けていると満足度の高い家づくりは期待できません。
注文住宅における自由設計でも、特に全国展開する大手ハウスメーカーほど一定のルールを基準に間取りを提案しています。
間取り提案に一定のルールがある理由
- 営業マンでも間取りを作ることができる
- 提案の効率化
- 構造計算の効率化
- 確認申請の効率化
効率よくスムーズに提案することや、人件費を抑えて建築費を安価で提供するためには必要な要素でもありますが、ハウスメーカー次第では、営業担当者で間取り提案の質が大きく異なることもあります。
間取りは、繰り返し修正を加えることで完成度が高くなっていきます。積極的に設計士や第三者の意見を求めることで、より理想に近づいていくことができます。
また、優秀な営業マンは、社内の設計部や建築部との連携もスムーズで、社内調整がうまく、他部署を巻き込み最良の提案をする能力に長けている傾向があります。
4:クレームが多い
クレームが多いメーカーは、何らかの内部問題を抱えている可能性があります。よくある例では、施工ミスや工期の遅れ、品質などがあります。また、お客様への対応やスケジュール管理など、営業担当者に問題があるケースも考えられます。
しかし、営業マン次第で防ぐことができるクレームも多くありますし、会社の規模が大きくなるほど一部のネガティブな口コミは目立ちやすくなります。特に、全国展開するハウスメーカーでは、ネガティブな口コミが皆無な会社は無いと考えても良いです。
ネガティブな口コミに対しては、「会社全体の問題なのか?」「営業担当者の問題なのか?」「被害者にならないためには?」慎重に考えて判断しましょう!
5:従業員の離職率が高い
離職率が高いメーカーは、内部の管理体制や職場環境に問題があることが多く、長期的に安定したサービスを提供できない可能性があります。具体的には、「営業担当者が退職により途中で変更してしまう」「引き渡し後にいつの間にか退職していた」などは良くある話です。
また離職率が高いということは、退職したいと考えている営業マンも多く存在しているかもしれません。営業マンのメンタルやモチベーションを考えると心配が尽きません。
しかし、不動産業界は、同業他社への転職も含めて人員の入れ替わりが激しい分野であることも事実です。
6:親族や知人とつながりがある
親族や知人などの身内から、ハウスメーカーや営業担当者の紹介を受けることもあります。紹介を受けることには、もちろんメリットもあります。
- 優秀な営業マンが担当してくれる可能性がある
- 強引な営業を受ける可能性が低くなる
- 紹介者に相談しながら話を進められる
営業マンは、紹介を受けた場合には、紹介者への配慮も必要なため、紹介されたお客様を大切に扱う傾向があります。また、紹介者が既存の顧客の場合、実体験や知識を持っているので、相談しながら話を進められるメリットもあります。
しかし、営業担当者と相性が合わない場合や、何らかのトラブルが起こった際には、「言いづらい」「断りづらい」「指摘しづらい」というデメリットもあり、言いたいことが言えずにストレスが溜まり、満足度が低くなる可能性もあります。
紹介を受ける場合は、紹介者との関係性や、自身の性格なども考慮して慎重に判断するようにしましょう。
建ててはいけないハウスメーカーの特徴:ハウスメーカー編
1:モデルルームと施工事例に大きな差がある
モデルルームはきれいで豪華に仕上がっています。モデルハウスだけを見てハウスメーカーを決めてしまうと、現実的なイメージが沸かず、現実との大きなギャップを受けてしまう可能性があります。
また、完成見学会なども行っているケースがありますが、ある程度のお金をかけてオプションを追加した現場が、見学会に採用されるケースが多いです。
ハウスメーカーの標準仕様の範囲や、オプションの料金をしっかりと把握して、現実的なイメージにズレが生じないように心がけましょう!
2:アフターサポートが不十分
家を建てた後も長く住むために、アフターサポートが重要です。しかし、アフターケアが不十分なメーカーは、故障やトラブルが発生したときに対応してもらえず、追加の修理費用がかさむことがあります。
各メーカーの保障内容はさまざまですが、表面的な保障内容だけを鵜吞みにせずに、内容をしっかりと把握して比較するようにしましょう。
長期保証を採用している多くのハウスメーカーでは、長期保証の期間を迎える前に、指定された修繕工事が必要なケースがあります。実際の費用感を把握して、必要性の有無や他社との違いを明確にして検討することが必要です。
3:使用素材が低品質
使用される建材の品質が低いと、住まいの耐久性やデザインが損なわれることもあります。また、床材や建具の商品サンプルを確認しても、施工後はイメージと異なる場合もあります。できる限り、実際に施工された状態を確認して判断するようにしましょう。
また、モデルハウスではオプション扱いの建材が使われているケースも多いので、オプションの有無や差額の料金について、しっかりと事前に把握しておきましょう。
4:施工スケジュールがずさん
工期の管理がずさんなメーカーは、工事が遅れたり、無理な工期で進められることもあります。引き渡しが遅れることも問題ですが、無理な工事スケジュールで現場が忙しくなると、品質の低下や近隣住民からのクレームを引き起こすきっかけにもなります。
どうしても天候の都合や下請け業者の都合で、工期が遅れてしまうこともあります。一定の理解を持って、賃貸住宅の解約手続きや、引っ越し業者の日程調整などを行うようにしましょう。
5:地元での信頼が低い
地元での評判が悪いハウスメーカーは、過去にトラブルを起こしていることが考えられます。評判の悪い理由が明らかな場合は、候補として検討する必要性はありませんが、悪い評判は話が大きくなっていることもありますし、知らない背景がある場合もあります。
気になる住宅メーカーの一つである場合には、双方の立場で客観的に考えて、慎重に判断するようにしましょう。
6:設計の自由度が低い
家づくりにおいて、自分の希望に合わせた設計ができるかは非常に重要です。多くのハウスメーカーでは、自由設計と言っても一定のルールが存在していて、特徴は各ハウスメーカーにより異なります。
一般的な間取りでは、それほど多くの制限を受けることは少ないのですが、天井高や大きな開口部分など、特殊な施工は各メーカーにより「できる」「できない」という問題が発生することもあります。
間取りについて強いこだわりがある場合は、早い段階で確認しておきましょう。
7:過去に法的トラブルがある
過去に法的なトラブルを抱えたハウスメーカーは、顧客対応や施工に問題がある可能性があります。トラブルの原因や時期、そして背景を確認し、信頼できるかどうかを判断することが重要です。
8:経営状況が悪い
経営が不安定なハウスメーカーでは、工事が途中で止まったり、アフターサポートが提供されなくなるリスクがあります。安定した経営基盤を持つメーカーを選びましょう。
大手のハウスメーカーや上場会社では、自社のホームページで業績情報や財務情報を公表しています。以下の記事では、複数のハウスメーカーの売上情報や決算情報のリンクを紹介しています。
また、心配がある工務店などの財務情報は、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査機関を通じて、有料で取得することができます。
10:施工実績が少ない
施工実績が少ないメーカーは、信頼性や施工品質が不明確なことが多くあります。また、口コミなどの情報量も少なく、判断材料がない場合もあるかも知れません。
場合によっては、財務情報や信用度を第三者機関から取り寄せ、信頼できるメーカーかどうか見極めることが大切です。
後悔しない選択をするために大切なこと
これまでに、「建ててはいけないハウスメーカーの特徴」を解説してきました。
ハウスメーカー選びで後悔する理由はさまざまですが、多くの場合は「現実が期待値を下回る」ことです。例えば、以下のようなケースがあります。
- 結果的に思っていたより価格が高くなった
- 結果的にできると思っていたことができなかった
- もっと良い家が建つと思っていた
このような理由には、「営業マンの営業トークが過剰だった」「こんなことになると思わなかった」などの要因がありますが、一番の原因は自分自身が「気付けなかった」「知らなかった」の2つです。
後悔しない選択をするためには、以下の2点がとても重要です。
家づくりの知識習得に妥協しない
家事育児や仕事で忙しい日々の中で、貴重な休日や時間を利用して情報収集することは大変な作業だと思います。
しかし、知識があれば多くの後悔や失敗は防ぐことができます。知識があれば気付くこともできるし、知らなかったを無くすことができます。
家づくりに関する知識は「資金計画」「住宅メーカー」「建築知識」など幅広く多岐にわたります。頭の中だけで考えると、忘れてしまったり注意点を見逃すこともあります。
必ずノートに書き込んだり、アプリにメモを取るなど、情報を整理しながら掘り下げて考えるように心がけましょう。
ハウスメーカーは必ず複数を比較する
ハウスメーカーは、必ず複数の会社を比較して検討するようにしましょう。
営業を受けることがストレスに感じてしまう人も多いと思いますが、複数の営業マンから提案や接客を受けることで、それぞれのメリットやデメリットに気が付き易くなります。さらに、営業マンのスキルも判断しやすくなります。
また、商談を通じて、あらたな考え方や盲点に気付かされることもあります。
家づくりは一生に一度の大きな決断です。ハウスメーカー選びで失敗しないためには、今回紹介した15の特徴に注意し、信頼できるメーカーを選ぶことが重要です。しっかりと情報収集を行い、自分に合ったメーカーを見つけましょう。
また、住宅展示場への見学や、資料請求を検討している方は、以下の記事で注意点を解説しています。
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