注文住宅の業者選び!【効率よく施工会社を比較するポイント】

マイホームを建てる計画を立てている方にとって、土地選びと同じくらい施工会社の選び方も非常に重要です。条件に合う土地は限られていますが、施工会社の選択肢は視野を広げれば広げるほど増えてきます。しかし、具体的な話を聞かないと、自分の条件に合うかどうかわからず、時間を要するとても大変な作業になります。その結果、疲れ果てマイホーム建築のモチベーションを保てなくなります。

最初は、自身の要件や条件に合わせて、効率よく施工会社を絞り込むことが重要です。ここで大切なのは、現実的なイメージです。はじめてのマイホーム計画では、探し始めの段階で現実的なイメージを持っておく必要があります。

一般的に、住宅展示場やモデルハウスの建築費は、様々なオプション商品を施工しており豪華で魅力的に見えます。しかし、インターネットや折り込みチラシなどの広告の値段とは大きく異なることがあります。予算的に検討できない高価な値段の施工会社や、オプション満載のモデルハウスや住宅展示場を観覧することは、期待や想像だけが膨らみ、現実とのギャップに苦しむことになります。

そして、施工会社の絞り込みで重要なのは、以下の2点です。

  • 建築費用
  • 希望条件が叶えられるかどうか

ほとんどの場合、希望条件に対して建築費用は比例する関係にあります。希望条件を妥協すると予算は抑えられますし、希望条件を優先すると予算を上げるしかない事もあります。しかし、ハウスメーカーや工務店などの施工会社では、様々な商品があり、標準装備とオプションの境目も複雑で分かりにくいことがあります。「A社ではオプション扱いで、B社では標準仕様だった」などの違いもあります。

自身の条件に対して、基本的な建築費用とオプション料金を合わせて、予算に収まるかどうかが重要なのです。

この記事では、施工会社を絞り込む効率的な方法をわかりやすく解説していきます。

また、施工会社を絞り込むためには、事前にエリアや予算が決まっていることが重要です。
以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

目次

まずは施工会社の情報集め!

まずは検討する施工会社の情報を集めましょう。 一般的には、インターネットや雑誌、新聞などのメディアから情報を収集します。 知人や友人の紹介も有用な方法です。 紹介を受ける場合には、実体験を持つ紹介者からの情報が豊富であり、紹介してくれる人は自身のマイホーム計画が成功していることが多いでしょう。

しかし、関係性が薄い人からの紹介は、気が進まない場合もあります。
マイホーム計画では、自身の資産や収入情報を施工会社に伝える必要がありますし、紹介を受けているために断りづらい側面や、営業担当者に強く指摘できないなどの問題も存在します。

また、不動産会社からの紹介には、不動産会社にも紹介料を受領できるなどのメリットがある場合があります。
該当する施工会社が自身の条件に合うかどうかをしっかり検討しましょう。
無駄な紹介を受けるのは、結果的に時間と労力の無駄になります。

施工会社は、お住まいの地域や設備の種類、建物の構造や価格帯など、個々の条件によって大きく異なります。
施工会社を選ぶ際には、一般的に以下のようなことに注意して選択していきます。

  • 価格
  • 住宅性能
  • 構造や工法
  • 保証とアフターサービス
  • 営業担当者
  • 他の要望を叶えられるかどうか

目安としては、5社程度に絞り込み、実際に具体的な話を聞きに行きましょう。

また、現実的なイメージを持ち、早い段階で施工会社の良し悪しを判断して、効率的に絞り込みましょう。

現実的なイメージを持つために

現実的なイメージを持つためには、完成見学会や施工事例を見学しましょう
完成見学会や施工事例では、一般的な家庭が実際に建築した建物を見ることができます。 検討可能だと感じた施工会社があれば、できるだけ早い段階で見学会などに参加し、該当する施工会社を検討できるか見極めましょう。

さらに、完成見学などで実際の住宅を見ることで、建物の空間や土地の広さに対する感覚が新たに醸成されることもあります。 自身の設定した条件を再確認するチャンスにもなるので、積極的に参加してみましょう。

施工会社の絞り込みで重要なポイント

自身が条件に設定した建築費に対して、希望条件が叶えられるかどうかを判断するために理解するポイントは、

  • 標準仕様の理解
  • 見積書の理解

上記の2点です。

過去に同じ施工会社から何度か図面や見積の提案を受けた経験がある場合、建物や設備の仕様についての理解や希望通りの要望に対する見積もりの把握が深まるでしょう。

しかし、個々のマイホーム計画にはそのような準備期間を設ける余裕がない場合もありますし、個人の性格によっては複数の土地で何度も提案を受けることに抵抗を感じるかもしれません。また、提案書だけを持ち帰って何度も契約せずにいると、営業マンからの評価も低下すると考える人も少なくありません。

施工会社には、これまでに施工してきた施工事例や、実際に建設に至らなくても提案した図面や見積書はたくさんあります。
自身の条件に近い規模の図面や見積書をいくつか見せてもらい、自身の条件に合わない箇所には差額がどれくらいかかるのかなど、詳細に確認しておくことをおすすめします。

※ 古過ぎる見積書の金額は、現在の施工単価と同じかわかりません。必ず確認してください。

詳細な理解がないまま話を進めてしまうと、土地が見つかってから急いで真剣に考え始め、時間の制約の中で「これもやりたい!」「あれも追加したい!」「見積もりが高すぎる!」「予算が足りない!」などの問題が発生します。

その結果、土地を諦めるか、希望条件や予算を渋々変更して決断するという二択に迫られることになります。

このため、標準仕様と見積書の理解は非常に重要です。以下では、これらのポイントについて詳しく説明します。

標準仕様の理解

ほとんどの場合、施工会社の商品には基本的な仕様や選択できる設備や建具が設定されています。施工会社が定める基本仕様から外れる場合は、すべてオプションとなり、基本料金からの差額が生じることが一般的です。

以下のポイントに注意しましょう。

  • 暖房や給湯設備の種類
  • 壁材の種類と選択可能な商品数
  • 玄関ドアや窓、内部の建具や床材の種類と選択可能な商品数
  • キッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレの種類と選択可能な商品数
  • 耐震等級や省エネ住宅など、構造に関わるグレードの部分
  • 外構工事はどこまで費用に入っているか確認する

これらの点に注意が必要です。選択できる商品数や基本設備は、施工会社によって大きく異なります。選択肢が多いことが必ずしも良いわけではなく、自分の希望条件が選択肢の中で満たされるかどうかが重要です。

基本の選択肢にない場合には、「変更可能なのか?」や「差額はどれくらいかかるのか?」といった点をしっかりと確認しておく必要があります。

また、同じ延べ床面積の建物でも、土地の形状に合わせて建物の形状を変更した場合、施工金額が大きく変わることもあります。以下の記事で詳しく解説しておりますので、参考にしてください。

見積書の理解

見積書は施工会社によって単価や書式、項目が異なるため、理解するのが難しい場合があります。住宅建築にかかる費用は住宅ローンと自己資金で賄われるため、住宅建築に関わる費用の総額を把握することが重要です。

以下のポイントに注意しましょう。

  • 基本仕様からグレードアップが必要な項目の差額を確認する
  • 銀行の諸費用が含まれているか確認する
  • 登記関連の費用が含まれているか確認する
  • 火災保険の費用が含まれているか確認する
  • 地盤改良工事に必要な予算が十分か確認する
  • 外構工事の費用を確認する
  • その他、必要な費用や必要になる可能性がある費用が含まれているか確認する

※緑色のラインで示されている項目は、費用が大きく変動する可能性がある項目です。


注文住宅の一般的な費用は、以下の記事で項目ごとに詳しく解説していますので、参考にしてください。

外構工事については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。

施工会社で確認する大切なこと

施工会社を訪問する際は、自分の条件に合わせて確認すべき事項を明確にしておきましょう。
例えば、希望する設備や建物の工法が条件に合致しているかどうか、選択できる範囲やオプションの有料化のラインはどこか、条件に合わない場合に代替の設備や工法があるかなど、詳細に確認する必要があります。

確認を忘れたり、意思疎通が取れなかった場合は後で大きな問題に発展する可能性もあります。 一部の施工会社は打ち合わせの記録を提供してくれることもありますが、自分自身でもメモを用意したり、あらかじめ確認すべき項目を準備しておくと良いでしょう。

最終的に引き続き検討が可能と判断できる施工会社には、自身の条件に近い施工事例や提案事例の間取りや見積書を見せてもらいましょう。

しかし、施工会社を絞り込むことは非常に重要なステップですが、土地の候補が決まるまでは正式な提案を受けることはできません。 実際に検討できない土地で提案を受けても、互いに意味がなく、施工会社にとっても無駄な労力になるだけです。

土地候補が決定してなくても具体的な施工金額を確認しよう!


施工会社はこれまでの施工事例や提案図面、過去の見積書などを多く持っています。
ここで重要なのは、施工会社の見積書を理解することです。 自分が希望する建物の規模や仕様における施工金額を把握することです。

予算内に収まっているのか、予算を超えているが検討可能な余地があるのか、この時点で見極める必要があります

以下に、他の見積書を参考にする際の注意点を説明します。

  • 施工方法によって耐震等級や省エネ住宅認定の取り扱いが異なるので、自分の条件に合っているか確認しましょう。
  • キッチン、トイレ、浴室、洗面化粧台のグレードや商品自体が自分の理想に合致しているか確認しましょう。
  • 自身のケースと比較して異なる項目を把握しているか?(土地の購入費、地盤改良費用、1階と2階のバランスなど)

具体的には、上記のようなポイントに注意しながら、後に土地を見つけて正式な提案を受ける段階での施工金額や関連費用を把握しておくことが重要です。

これまで解説してきたように、施工会社では標準の仕様が商品や会社によって異なります。 どこまでが標準の仕様であり、どこからがオプションなのかはさまざまなケースが存在します。
例えば、キッチン、洗面化粧台、浴室、トイレなどを一通り変更すると、建設費用が百万円以上増加することもあります。建具やサッシ、玄関ドアなども同様です。

さらに、同じ延べ床面積でも、1階と2階のバランスによって施工金額が異なります。 詳細については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

また、土地のエリアによっても大きく異なり、注意が必要なのは地盤改良工事費用です。
土地が確定していなくても、探しているエリアでの地質調査データから概算の予算を立てることが可能です。 施工会社によって費用は若干異なるため、施工会社ごとに概算の見積もりを依頼しておくと良いでしょう。
ただし、地盤改良工事の費用は最終的には工事に着手するまで正式な費用は確定しません。

土地が見つかり、正式な提案を受けた時に「予算が全然合わない」となると、これまで検討してきた時間が無駄になってしまいます。 具体的な仕様や金額を把握せずに、正式図面の段階まで進めることが無いように注意が必要です。

また、なぜ施工会社を決めないと土地も決まらないのかについては別の記事で詳しく説明していますので、以下を参考にしてください。

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