マイホームの土地で形の理想は?ポイント解説!【注文住宅】

土地の形状は、『高低差のない整った形が理想的』だと考える方が一般的だと思います。しかし、それぞれの理想の地域や、第一には土地の値段を予算内に抑えることを目標に土地を探していきます。

実際のところ、形の整った整形地は値段が割高な傾向があり、一般的には人気のない不整形な土地には懸念材料があるために割安で取引されている傾向があります。多くの人が予算内で理想の土地を見つけることに苦労している現実もありますが、もし売主であるなら、自分が魅力的だと思う土地を安く提供することはありません。

しかし、建物に対しての条件や、駐車場などを含める外構工事の希望条件を叶えられるのであれば、整形地にこだわる必要性もありません。もちろん、将来的な売却など土地の価値を考えると整形地の方が良いですが、予算内で希望のエリアに、希望する建物を建築できるのであれば、候補として検討する価値はあります。

以下では、土地の形状別で特徴やポイントを解説していきます。

目次

土地形状の特徴やポイント

土地形状の特徴やポイント【イメージ画像】

整形地

整形地とは、土地の形状が整っており、ほぼ正方形や長方形に近いものを指します。整形地は多くの人に好まれ、各地域によって異なるものの、一般的にはほとんどの方が選ぶ傾向にあります。

整形地を選ぶと、建物の形状や配置、駐車場の配置などが容易になり、選択肢も広がるでしょう。人気が高いため、エリアに対してお得感を感じることができる価格設定は少ないでしょう。それでも、購入者がすぐに見つかることが多く、他社に先取りされてしまう可能性も高くなるため、事前に施工会社の絞り込みや決断力が必要です。

整形地はどのエリアでも人気がありますので、早めの行動が重要です。競争も激しくなる可能性があるため、迅速な対応が求められます。マイホーム建築を検討されている方にとって、整形地は魅力的な選択肢と言えるでしょう。

本格的に土地探しをはじめる段階では、施工会社を決めておくか、施工会社の候補を絞り込んでおく必要があります。
理由は、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

不整形地

不整形地とは、三角形や台形、細長い形状であるうなぎの寝床や、入口が通路のようになっている旗竿地などが代表的です。また、敷地の境界線付近や敷地内に高低差がある土地も不整形地に分類されます。

はじめから不整形地を探す方は、特殊な希望条件を持つ一部の方を除いては少ないでしょう。
例えば、『高台の見晴らしの良い土地に建築したい』といった特殊な条件の方が該当します。

しかし、限られた条件や予算内で土地情報を探していくと、必然的に希望エリアでの安価な情報に目が向くことがあります。一般的にはデメリットが多いと言われていますが、個々の条件や建物の規模によってはデメリットを感じにくいケースも存在します。

全体的なデメリットとしては、不整形地は整形地と比較して資産価値が低くなる可能性があります。マイホーム計画を考える上で、将来的な売却や賃貸を考慮される方は限られていると思いますが、転勤などの理由で懸念を抱く場合には、売却や賃貸を検討した際に対象者が限られることを念頭に置く必要があります。

以下では、形状別に不整形地の特徴や注意点を解説していきます。

三角地

三角地は、一般的には角地になるケースが多いです。具体的な例を挙げると、交差点の一方の道路が斜めに交差しており、その交差点に位置する土地が三角地となることがよくあります。

メリットデメリット
価格が近隣相場と比較して安価建物の形状が複雑なる
人気が低いため、決断までの時間を確保しやすい施工会社が限られる可能性ある
建築費が割高になる
家具配置の難易度があがる
家具の種類が制限される
デッドスペースができる
外構工事の種類によっては割高になる

ご覧いただくとわかる通り、多くのデメリットは敷地の形状によって建物の形状が制限されることに関連しています。極端な例を挙げれば、三角地に三角形の建物を建築する場合、施工会社が限られる可能性もあり、施工費用が割高になる可能性もあります。
また、家具の配置も難しくなり、使用できる家具の種類も制限される可能性があります。家具のデメリットに関しては、部屋の角が90度ではない箇所が生じるためです。

しかし、三角地の形状を持つ敷地でもある程度の広さを保有している場合は、四角形や長方形の建物形状を実現することができます。また、外構に特別なこだわりがない場合、多少のデッドスペースが生じてもデメリットを感じることは少ないでしょう。敷地境界線に縁石を設置する程度であれば、外構費用もそれほど割高にはなりません。

このように、三角形の敷地形状でも個々の希望条件を満たすことができ、さらに建築費用面でも割高になる施工を回避できれば、お得な土地と考えることができます。建築においては、形状に制約がある場合でも、適切なプランニングや工夫によって魅力的な住まいを実現することができるのです。

台形地

台形地とは、土地の形状が台形やひし形、平行四辺形のような形をしている敷地のことを指します。
メリットおよびデメリットは、三角地とほぼ同様ですが、建物配置や建物形状の維持に関しては、台形地の方が比較的容易な場合が多いです。
また、デッドスペースも三角地よりは有効的に活用できる形状が多いでしょう。

傾斜地

傾斜地とは、隣地や接道している道路との間に傾斜がある場合や敷地内に傾斜がある場合のことを指します。傾斜の規模や地域の条例によって建築費用や建築の制限が大きく変わることもあります。

傾斜地を検討する場合は、詳細な確認が必要であり、建物の建築費用や必要な擁壁工事などを総合的に考慮する必要があります。特に、傾斜の大きさや地域の制限によっては追加的な費用や制約が生じることもあります。

最悪なケースは、安価な土地を選びたいという考えから始まり、整形地を選ぶよりも総額的に高くなる可能性も考慮すべきです。さらに、将来的な擁壁の補修なども視野に入れて検討する必要があります。

傾斜地を選ぶ場合は、建築費用や制限に関する情報を正確に把握し、将来的な維持管理にも注意を払う必要があります。

メリットデメリット
価格が近隣相場と比較して安価建築費が割高になる
人気が低いため、決断までの時間を確保しやすい外構費が割高になる
日当たりや眺望が良い土地も多い整形地と比較し地盤改良工事などの安全性の確保がより必要となる
通行人や近所からの視線が気にならない場合もある土地の形状によっては駐車場の確保にも費用がかかる
整形地と比較して工事期間が長くなる場合もある
地域により条例で建築制限がかかる場合がある
地域により条例等で追加工事が必要になる場合がある
耐震面や災害面での不安が残る

前述したように、傾斜地では傾斜の高さや角度によって費用や規制が大きく変わることがあります。軽度な傾斜であれば基礎の高さを変更するなどの軽微な変更工事で解決できる場合もあります。

ただし、傾斜の高低差が1メートル以上ある場合は注意が必要です。基礎の高さ変更以外にも、擁壁の施工や駐車場の確保など、さまざまな工事が必要になる可能性があります。
また、工事に必要な資材運搬や重機の乗り入れにも影響がある形状もありますので、費用は割高になる可能性があります。
地域によっては、崖条例、急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害特別警戒区域、宅地造成工事規制区域などの制限を受けることもあります。
したがって、建設を計画する土地で必要な工事や制約について、詳細に調査することが非常に重要です。
必要な工事が増えると工期も長くなる可能性がありますし、金融機関からの借入利息支払いも増えることになりますので、予算を立てる際には注意が必要です。

大規模な工事が必要な土地では、単に安価であるからといって選ぶことは危険です。ただし、眺望や日当たり、プライバシーの面などの利点を重視する方も多いでしょう。

自身の優先順位とマイホーム建築の総費用を考慮し、慎重な判断をすることが重要です。

うなぎの寝床

「うなぎの寝床」とは、土地の間口が狭く奥行きが長い形状の土地を指します。地域によっては、このような形状の土地が多いエリアもあります。

建築制限や用途地域によって異なりますが、この形状に合わせて細長い建物を建築する必要があり、間取りのプランニングには多くの制限がかかります。必要な部屋は建物に合わせて配置され、手前から奥に向かって必要に応じて順番に並べられます。そのため、各部屋までの廊下が必要となります。廊下の長さは非常に長くなることがあります。ただし、長い廊下も建築費用がかかるため、実際に使用できる部屋の広さに対して建築費用を考慮すると、割高になる可能性があります。

また、間口が狭いため、接道部分が少なくなり、隣地に囲まれるケースが多いため、十分な採光を確保することが難しくなる場合があります。採光については注意が必要です。

旗竿地

「旗竿地」とは、敷地への入り口が2m以上の比較的狭い通路のような形状をしており、奥に敷地が広がっている土地のことを指します。通路のような部分の長さは、2〜3メートル程度のものから、10メートル以上の距離があるものまでさまざまです。旗竿地は、通常、入り口から奥に進むにつれて広がっていく形状をしているため、奥に広々とした敷地スペースが広がっています。

メリットデメリット
価格が近隣相場と比較して安価ライフラインの引き込み費用が増す場合がある
人気が低いため、決断までの時間を確保しやすい資材の運搬等の費用が割高になる
道路から離れるため、騒音、排気、人目が気にならない大型車の出入りができずに建築費が割高になる
日当たりや風通しが悪い場合がある
隣地に囲まれる
車の大きさが制限される場合がある
地域によっては除雪などが大変

旗竿地においては、通路のような形状の部分が長ければ長いほど、デメリットが大きくなる可能性が高いです。このような場合、建築にはいくつかの懸念事項が生じます。

まず、ライフラインについて考えてみましょう。上下水道や都市ガスの供給が必要な場合、通路部分が長いほど、それらの設備を引くのが大変になります。建物を配置する場所によっては、ライフラインがスムーズに通っているかもしれませんが、前面道路で途切れてしまっている場合もあります。そのような場合、設備の引き込み距離が長くなるため、工事費用も増えることになります。

さらに、通路部分が狭い場合には、工事においていくつかの制約が生じます。重機やダンプトラックが出入りする必要がある場合、通路の狭さによっては大型重機が入れない可能性があります。また、建物を組み立てる際にはクレーン車が必要な場合もありますが、通路が狭くてクレーン車を使用することができない場合もあります。これらの問題は工事の進行に支障をきたします。

もし小型のトラックや重機を使用する場合でも、人件費が増えることになります。さらに、隣接している土地を借りる必要がある場合には、追加費用が発生する可能性もあります。

駐車場についても同様に考慮すべき事項があります。駐車場は奥の敷地内に確保するのか、通路部分に確保するのかを事前に検討しておくことが重要です。車のサイズや車庫証明の取得の可否なども事前に確認しておくべきです。

マイホーム建築を検討されている方は、これらのポイントを押さえておくことで、スムーズな建設プロセスを迎えることができるでしょう。

周辺環境の注意点

周辺環境の注意点【イメージ画像】

マイホーム計画における土地選びには、周辺環境の確認が非常に重要な要素となります。気になる土地情報が見つかった場合は、積極的に周辺環境を確認していきましょう。

もし時間に余裕があれば、徒歩で周辺を散策してみることもおすすめです。実際に現地を歩いてみることで、新たな気付きや情報を得ることができるかもしれません。
周囲の雰囲気や利便性、騒音や交通の状況など、土地選びに重要な要素をより具体的に把握することができます。

道路幅員と歩道の有無

接道している道路の幅員は、敷地への出入りのしやすさに大きく影響します。特に車を所有する場合は、この点に注意が必要です。

さらに、マイホーム計画において道路の幅員が8m以下の場合は、道路斜線制限が適用されますことがありますので、注意が必要です。道路斜線制限についての詳細は、以下の記事を参考にしてください。

また、歩道の有無も重要なポイントです。特に小さなお子さんがいる家庭の場合、敷地からの出口が直接車道につながっていると事故の心配があります。そのような場合は、敷地からの出口をできる限り見通しの良い位置に設けることが安全です。背の高い塀や柵は見通しを悪くし、小さなお子さんの飛び出し事故のリスクを高める可能性があります。そのため、配慮した設計が必要です。

近隣の住民や周囲の家について

近隣の住民を知るためには、近所を散歩することが有効です。
家の入り口などを注意深く観察すると、小さな子供のいる家や高齢者が住んでいる可能性がある家など、さまざまな情報が得られます。積極的に挨拶をしたり、外で出会った住民と会話をすることもおすすめです。実際に私自身も以前、営業マンとして多くの見知らぬ方々と話をする機会がありましたが、自身の話ではなく、近所の人や他の人に関する話題は、意外なほど話してくれることがあります。

一般的なコミュニケーションのルールやプライバシーに注意しながら、お話してみましょう。

公園までの距離

小さなお子さんをお持ちのご家庭では、公園までの距離が近いことは好ましい要素とされます。確かに、家から公園が見えるほど近ければ、子供たちを安心して遊ばせることができますし、自身の時間も確保しやすくなります。

ただし、公園があまりにも近すぎる場合、知られたくない人に自宅が特定されたり、近所の子供たちや幼稚園や小学校の友達が頻繁に集まりやすくなるなど、一部の人にとってはデメリットと感じることもあります。例えば、勉強の日においても、友達が近くで遊んでいると子供たちが勉強に集中しにくくなる可能性もあります。

この点は個々の性格や価値観によって異なる要素ですが、注意が必要なポイントの一つと言えるでしょう。

学校の校区

マイホーム建築の土地探しでは、多くの方が小学校や中学校の校区を基準に探していることでしょう。
特に小学校の校区で探される方には、同じ小学校出身のお友達ができるだけ多く同じ中学校に進学する地域を選ぶほうが、お子さんの心配事が減るでしょう。

下記の記事では、校区に関する詳細な解説をしていますので、ぜひ参考にしてください。

地域によっては除雪も必要

降雪の必要がある地域にお住まいの方は、おそらく除雪の重要性をご存知でしょう。雪が積もる地域では、戸建て住宅の除雪作業は非常に大変なものです。各地域では融雪槽やロードヒーティングなど様々な除雪対策が行われていると思いますが、基本的には以下のポイントに留意する必要があります。

まず、雪をためるスペースを確保することが重要です。除雪した雪をどこに置くか、またそのスペースが広さや耐久性の面で適切かを考える必要があります。また、近隣の状況を把握することも重要です。周囲の道路や歩道の除雪状況や近隣住民との連携が必要となります。

マイホーム計画の土地探しは、非常に骨の折れる作業で忍耐が必要です。
条件に合った土地情報が不足している場合は、土地探しを依頼する業者の窓口を広げることが重要です。

以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。

土地を探すには予算を明確に!

土地を探すには予算を明確に!【イメージ画像】

マイホームを計画の予算を決めるには、自身の経済状況を考慮して予算を決めることが重要です。
新しい住居生活では、住宅を維持するために必要な税金や光熱費などが変わることもありますので、慎重な検討が求められます。

予算を設定する方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

エリアを決定して土地探しをはじめよう!

エリアを決定して土地探しをはじめよう!【イメージ画像】

住宅を建てるエリアを選ぶ際には、個人の意見が大きく影響します。
そのため、自身の土地に関する知識だけに頼って判断してしまうことが少なくありません。
しかしながら、建築制限やライフライン、そして地盤の強さも地域ごとに異なるため、生活環境や建築費にも大きな影響を与える要素となります。

エリア選びに関する詳細な情報については、以下の記事で解説していますので、ぜひご参考にしてください。

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