マイホームの土地探しでは、「もっと良い土地があるかもしれない」「条件に合う土地が無い」「後悔したくない」と誰もが考えています。
土地探しでは、複数の業者から同じ土地の情報を紹介されることもあり、不動産会社の土地情報は、約8割程度の情報が業界で共有されています。しかし、情報を共有していない土地情報を保有している不動産会社もあります。
そのことを考慮すると、複数の業者と関わることが、より良い情報に巡り合える可能性を高めます。特に、条件が厳しい中での土地探しでは、複数の会社に依頼する必要がありますし、探している地域に店舗を置く不動産会社にも、理想の土地情報が隠れているかも知れません。
そして、業者選び以上に重要なのが、営業担当者の存在です。
実際、マイホームの計画において、ほとんどの決定は自分自身と営業担当者との間で行われます。だからこそ、誰もが信頼できる、優れた担当者に出会い、熱心にサポートを受けたいと願うものです。
残念ながら、一般的には私たちが営業担当者を選ぶことはできません。もちろん、そのような特別な会社があるかもしれませんが、通常、担当者はタイミングによって自動的に割り当てられることが多く、「運任せではないか?」と思うこともあるでしょう。
しかし、私の不動産業界での15年の経験から言えることは、優れた担当者を引き寄せるためのアプローチ方法が存在するということです。
さらに、あなたと担当者の関り方によっては、彼らがより優秀で熱心なプロフェッショナルに成長することもあります。
この記事では、不動産会社の選び方、優れた担当者を引き寄せる方法、担当者との関わり方について詳しく解説していきます。
不動産会社の選び方
不動産会社を選ぶ基準として、大手企業やよくCMなどで目にする会社など、安心感を重要視される方もいます。
もちろん、安心感は大切な要素だと思います。しかし、そんな安心感を抱くような会社にも、「相性が合わない」「知識が浅い」「やる気が見られない」などの営業担当者もいると思います。
極端に怪しい会社や、懸念を抱く点がある会社を除き、会社よりも営業担当者が重要と私は考えます。
- 目的の土地情報を保有している
- 営業担当者に知識がある
- 営業担当者と相性が合う
第一には、自身が希望する土地の情報を保有しているかどうかが大事です。具体的な例では、気になる情報がインターネットに掲載されており、該当の会社に問い合わせを行うケースです。しかし、そのままスムーズに話が進むかどうかはわかりません。他者に先に申し込みを入れられてしまうケースもありますし、検討しても何らかの理由で見送るケースもあります。
冒頭でも解説しましたが、目的の土地情報への問い合わせも含み、複数の会社に問い合わせをして、各社の情報を比較すると共に、親身に探してくれそうな営業マンを頼るようにしましょう!
仕事や家事育児などの合間に、複数の業者とやり取りすることは大変な作業です。しかし、個々の条件や限られた予算の中で、より良い情報に巡り合うには、窓口を広げ、その中でも優秀で熱心に協力してくれる担当者に頼ることは有効的です。
優秀な営業担当者とは、どんな人物なのか?
そもそも、マイホーム建築の土地探しにおいて、優秀な営業担当者とはどんな人物なのでしょうか?
例えば、施工会社の営業マンであれば、これまでに多くの経験を積んできた人物、一般的にはベテランと呼べる担当者の方が良い傾向があるでしょう。
施工会社の営業担当者は、設計部や工事部などの他部署の協力も必要ですが、一般的には間取りの考案や金融機関の特徴や手続き、工事の工程やスケジュール管理、設備やランニングコストの知識など、様々な経験や知識が必要になります。これまでに、多くの成功や失敗を経験してきたベテラン営業マンの方が、スムーズに計画を進めることができる傾向があります。
しかし、マイホーム建築の土地探しで施工会社とは別の不動産会社にも土地探しを依頼する場合は、ベテランが良いとは限りません。特に条件が困難なほど、土地探しに必要なのはモチベーションと行動力です。もちろん、基本的な知識も重要ですが、3年ほどの実務経験があれば十分安心できるでしょう。
土地を探す不動産会社の営業担当者は、希望条件に近い土地情報を探し出す役割を担い、最終的な決定は、施工会社との商談を行いマイホームの建築主が行います。理想的な土地情報が見つかれば、その土地で希望の住宅を建てるための図面作成が行われます。その段階で、施工会社から問題点や懸念事項が指摘されることもありますし、自分自身でも何らかの問題点に気づくことがあります。
そして、困難な状況における土地探しにおいて、営業担当者のモチベーションや行動力を維持するためには、営業担当者に、あなたへ好意的な感情を持ってもらうことが非常に大切です。
営業担当者のモチベーションや行動力を上げる重要性
私も過去に営業マンとして、困難な条件下で様々な案件を探したことがあります。しかし、会社全体の業務やお客様の対応、事務作業など、多忙な日々を過ごしていました。その中でも、私が好意的な感情を抱く人には、見返りを求めずに必死で探し、結果的に契約が成立したケースもあります。
特に、条件が厳しく該当する情報が少ない中では、「探しても見つかるかわからない」「最終的に契約できるかわからない」という感情を、どうしても営業マンは抱いてしまいます。さらに、あなたが相性が悪いと感じる営業担当者は、担当者も同じように感じている可能性が高いです。好意的な感情が無いお客様に対して、必死に頑張ることは出来ないのです。他にも優先するべきお客様が存在するのが現実です。
しかし、好意的な感情を抱く人には、自分の時間や成果に見返りを求めずに行動できるものです。最悪、契約にならなくても良いと思えるのです。このような営業マンは、私だけに限るものではありません。
営業マンのモチベーション次第では、具体的な行動も大きく変わります。例えば以下のようなことがあります。
- 信頼できる同業他社の営業マンに情報を求める
- 探しているエリアの同業他社に情報を求める
- 探してるエリアの現地を訪れる
- 現地で気になる土地があれば近隣の人に状況を尋ねる
- 土地の所有者を調査して売却意思を確認する
- 希望条件よりも広い土地の分筆売却が可能かどうかを調べる
- より相手の立場になって深く考え様々な提案をする
- 検索システムで検索するのみ
上記の2つの行動を時間で比較すると、モチベーションが高い営業マンでは一日を費やしても足りない可能性がありますが、モチベーションが低い営業マンの行動時間はおおよそ15分程度でしょう。内容を比較すると、どちらが成果を上げる可能性が高いかは明確です。
さらに、営業マンのモチベーションや行動力は、自身でも困難な条件だと感じているが、様々な要因で条件をなかなか妥協できないお客様にとって、条件を妥協するきっかけになることも、実際に私の経験から言えることです。
熱心な担当者のおかげで希望通りの土地が見つかることは最高の結果ですが、全てが希望通りに進むことは稀です。しかし、困難な状況であっても、条件に近い新しい土地情報を発見して提案したり、別の視点で提案することで、少しずつ条件を変更していく方がいます。これは、これまでに営業担当者が熱心に行動し、細かく探求し、提案し続けてきた経過があるためです。営業担当者の行動力に納得して条件を見直す覚悟ができるのです。
それでは、営業担当者が好意的な感情を抱くのはどんな人なのでしょうか?
以下で具体的に解説していきます。
営業マンはどんな人に好意的な感情を抱くのか?
営業担当者も一人の人間ですから、個人的な相性が合わない営業マンや、合わない価値観を持つ営業マンなど、生理的に受け入れが難しいと感じる営業マンが存在するでしょう。ただし、自身がそのような感情を営業マンに抱いている場合、営業マンからも好意的な感情を持たれる可能性は低くなります。営業担当者の良い面を見つけて、こちらから好意を持つことが重要です。基本的には、こちらから寄り添っていく姿勢が大切です。自身の性格やタイプによっては難しいと感じることもあるかもしれませんが、こちらが営業するほどの心構えで取り組んでみましょう。
以下では、好意的な印象を与える具体的なポイントをお伝えします。
具体的なポイント
- 自身の個人情報はしっかり提示する
- 相談しにくいことも相談する
- 嘘はできるだけ言わない
- 営業担当者を頼る
- 商談の中で、営業担当者の考えを聞く
- 営業担当者のプライベートな話を聞く
- 可能な限り家族全員で面談する
- 褒めれるタイミングでは褒める
これらのポイントを考慮しながら、営業担当者との関係性を意識して良好な関係を築きましょう。
問い合わせの際のメールフォームや不動産会社への訪問時に提供されるアンケートには、きちんと情報を記入しましょう。個人情報を過度に隠すと、距離を置きたいと伝えているような印象を与えかねません。
さらに、嘘をつくことは避けましょう。営業マンは多くのお客様と接しており、嘘や曖昧な発言や態度には敏感です。嘘を見抜かれても、すぐに指摘されることはないかもしれませんが、営業マンはあなたの嘘やごまかしに気づいているかもしれません。
また、営業担当者の話や考えに耳を傾けることを心がけましょう。営業マンは、頼られていると感じたり、自分の話に興味を持ってもらえると好感を抱きます。あなたが営業担当者に興味を持っていることが伝われば、彼らも自然と好意的な感情を抱くことがあります。
これまでに営業担当者とのコミュニケーション方法について詳しくお伝えしましたが、はじめての問い合わせなど、不動産会社との最初の接触も極めて重要です。
なぜなら、不動産会社との最初の接触は、営業担当者が決まる瞬間と同じだからです。
以下では、具体的なアプローチ方法について詳しく解説していきます。
優れた営業担当者を引き寄せるアプローチ方法
不動産会社との最初の接触は、営業担当者が決定する重要な段階です。一般的には、電話やメールでのお問い合わせ、または直接訪問するなどの方法がありますが、ここで紹介するのはメールでの問い合わせフォームです。
メールでの問い合わせから始まり、最終的には決定した営業担当者との面談で好印象を与えることが目標です。
さらに、優れた担当者を引き寄せる可能性を高めるためには、不動産会社の問い合わせ対応の仕組みを理解することが必要です。
それでは、具体的なアプローチ方法と問い合わせ対応の仕組みについて解説していきます。
最初のアクションはメールでの問い合わせフォームを利用する
まずはインターネットを活用して、さまざまな土地情報を掲載している不動産ポータルサイトや不動産会社のウェブサイトから問い合わせを行います。
もし本気でマイホーム計画を進める意思が固まっているのであれば、問い合わせフォームを通じてメールで問い合わせをすることをおすすめします。
電話や予約なしの直接訪問ではなく、必ず問い合わせフォームを使用してください。
また、問い合わせをする時間帯は営業時間外であるか、できれば定休日が望ましいです。
さまざまな理由について、詳しく解説していきます。
なぜ、問い合わせフォームなのか?
問い合わせフォームとは、不動産会社の自社ウェブサイトや不動産ポータルサイトなどに存在し、多くの場合、不動産ポータルサイトを通じた問い合わせが一般的です。 不動産会社は、ポータルサイト運営会社に利用料を支払い、不動産広告を掲載しています。したがって、ポータルサイトからの問い合わせは非常に重要な1件です。
問い合わせフォームを利用して、問い合わせをした後の一般的な流れは以下の通りです。
問い合わせフォームより入力した内容が、不動産会社へ届きます。
後述に解説致しますが、問い合わせの内容は非常に重要です。
不動産会社の店舗責任者は問い合わせの内容を確認して、どの営業マンが良いか考え担当者を決定します。
※不動産会社の店舗責任者が不在の時もあるでしょう。大切な問い合わせは、不在だからと言って返信を待つのではなく、何らかの方法で担当者を決定するでしょう。
担当を任された営業マンは、問い合わせ内容を確認してお客様に返信などのアクションを起こします。
これまでに説明した問い合わせの流れは、全ての業者に共通するものではありません。 会社や店舗によって考え方が異なる場合もあります。 ただし、不動産業界に限らず営業会社では一般的にこのような流れが多いと言えますし、私の経験でも同様です。
営業時間外や定休日をおすすめする理由は、店舗責任者が不在の場合に問い合わせが届くと、責任者の判断無しで担当者の振り分けが行われる可能性が高くなるためです。
不動産会社では、営業開始時刻の朝や定休日明けには必ず問い合わせを確認し、営業担当者を振り分けます。
特に定休日明けの週の始まりとなる朝には、店舗責任者が不在であることは少ないでしょう。
優れた営業担当者を店舗責任者に割り当ててもらう可能性を高めるためには、問い合わせの内容は非常に重要です。
問い合わせの内容については、以下で詳しく説明していきます。
どんな問い合わせ内容が良いのか?
要するに、不動産会社や施工会社に「契約率が高いお客様」と感じてもらうことです。
不動産会社や施工会社への問い合わせ内容はさまざまです。
特に不動産会社の営業マンは、地域や会社によって異なりますが、月に数十件の問い合わせに対応します。
もちろん例外はありますが、内容が薄いと感じる問い合わせには、どれだけ丁寧に対応しても返信率や来店率が低い傾向があります。
内容の薄い問い合わせをした時点で、不動産業者や営業担当者にとって、あなたへの優先順位は残念ながら低くなる可能性があります。
営業マンは、内容の薄い問い合わせの担当者に任命された時点で、すでにモチベーションが下がっているです。
彼らはあなたではなく、もっと有力な見込み客に時間を割くことになるでしょう。これが現実です。
問い合わせの内容が薄いと感じる具体的な例としては、
- 問い合わせ内容が具体的に感じられない(内容が薄い)
- 現住所の詳細や電話番号などの個人情報が提供されていない
- 時期が未定や急いでいないなど、先の話のように感じてしまう
- 問い合わせ内容の情報量が少ない
- 来店する意思が感じられない
- 問い合わせの土地以外には興味がないと感じる内容
不動産業界には一般的に良いイメージがないため、強引な営業を受けたくないなどの理由も理解できます。
しかし、不動産会社の営業担当者はこのような内容の薄い問い合わせにも毎月何件も対応しています。 時間をかけて様々な確認作業を行い、メールで回答しても返信がないことも珍しくありません。 これは日常的なことです。
逆に、内容の濃い問い合わせは、店舗の責任者にとっても重要な問い合わせの一つと認識されるでしょう。
契約の確率が高そうな問い合わせを、新人や無能な営業マンに任せるでしょうか?
私自身、問い合わせの担当者になったことも、担当者を振り分けたこともありますが、通常はベテランや確実に契約まで進めてくれる優秀な営業担当者に任せることが一般的です。店舗責任者であれば誰もが、有力なお客様を確実に契約まで進めて欲しいと願っているのです。
好印象を与える問い合わせ内容の具体的な対策
はじめての問い合わせでは、「有力なお客様である」「来店してくれる」と思わせなければいけません。
以下は、問い合わせ内容に対する具体的な対策です。
- 住所や電話番号などの個人情報はしっかり伝える
- これまでの経緯や状況を簡潔に伝える
- 希望の時期は遠過ぎずに、明確に伝える
- 優先順位を付けて、大まかな条件を伝える
- 問い合わせの土地以外にも紹介してほしい旨を伝える
- 来店して相談や提案を受けたい旨を伝える
- 来店の日時は可能な範囲で選択肢を与える
- 丁寧な文章を意識する
電話番号は、問い合わせフォームに必ず入力欄があります。連絡手段としてメールを指定しても構いませんが、任意の入力欄であっても、電話番号は必ず入力するようにしましょう。
希望の時期が1年後や2年後といった遠い将来である場合は、状況によっては時期の前倒しも検討できる状態が望ましいです。不動産の情報は常に変動していますので、1年後や2年後に現在の情報はあるかわかりません。
営業担当者からすると、2年後の為にモチベーションを上げるは難しいでしょう。
問い合わせ目的の土地情報以外にも、条件や希望を伝えましょう。条件などの詳細がなければ、「該当の土地がなければ御社には用無しです」と伝えているような印象を営業マンに与えてしまいますので、条件を明確に伝えることが重要です。
また、土地探しの経緯や状況を簡潔に伝えましょう。例えば、いつから探し始めたのかや現在の状況などでも構いません。
皆さんは理想の土地に出会いたいと考えていることでしょうが、一般的には営業されたくないという人が多いです。具体的で有力な問い合わせは全体の割合から言うと非常に少ないです。
優れた営業担当者と計画を進めていくためには、あなたが有力客となり彼らのモチベーションを高めることが重要です。
あなたが本気でマイホーム計画を進めていくのであれば、内容を具体的にして営業されることの覚悟を決めてください。
電話問い合わせや予約なしの直接訪問のケース
電話や予約なしの直接訪問では、運に頼ることになる場合がほとんどです。 通常、不動産会社の電話対応は迅速に対応されていて、3コール以内には電話に出ます。なぜなら、電話を対応した営業マンが営業担当者になれるからです。
もちろん例外もありますが、多くの営業会社で採用されているルールみたいなものです。
同様に、予約なしの直接訪問でも、その時に予定が空いている接客可能な営業マンが担当することが多いでしょう。
さらに、不動産会社の営業マンは会社や店舗に終日待機しているわけではありません。
案件を抱えている優秀な営業マンほど、お客様や金融機関との予定が詰まっていたり、土地の調査や役所での確認作業などの外出が頻繁にあります。
このような事情を考えると、電話や予約なしの直接訪問では、優秀な営業マンが対応する確率は運任せになる傾向があると言えます。