特に子育て世帯では、収入合算をして世帯年収で住宅ローンの予算を考える際には、以下の点に注意する必要があります。
- 主債務者の収入を軸に考える
- 世帯収入が維持できない状況も考慮する
上記の点を考慮すると、世帯年収1200万円のご家庭では、以下の借入金額が理想的です。
主債務者の年収が1000万円以上の場合
- 7200万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が900万円程度の場合
- 6600万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が800万円程度の場合
- 6000万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が700万円程度の場合
- 5300万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が600万円程度の場合
- 4600万円以内の借入が理想的
住宅ローンは、30年以上の長期間に渡り返済を行いますので、世帯年収が維持できない状況も踏まえて予算を決める必要性があります。特に、子育て世帯では、「共働きを続けられない」「時短勤務で収入が維持できない」などの可能性もあり、合算者(妻)の収入割合が大きいほど注意が必要です。
また、住宅ローンは少しの金利差で利息が増えます。複数の金融機関を比較して、好条件の銀行を選択するように心がけましょう。
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この記事では、世帯年収1200万円の家庭では、「どれくらいの住宅ローン借入が適正なのか?」を夫婦の収入割合別で紹介し、収入が維持できないリスクについても詳しく解説しています。
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予算を決める基本的なポイント!
住宅ローンの返済計画を考えて予算をきめるには、一般的な目安を把握することが必要です。
以下では、住宅ローンの返済計画を立てる際に、重要なポイントを解説していきます。
返済比率(返済負担率)
返済比率は、税込年収に対して年間のローン返済割合の指標となります。
返済比率の計算式
- 年間のローン返済金額÷税込年収×100=返済比率
返済比率には、既存のローン(例えば自動車ローンなど)も含めて算出します。
月々の住宅ローン返済が10万円で自動車ローン返済が2万円の場合、【月々12万円返済×12カ月=144万円】となり、年間のローン返済金額は144万円となります。
理想的な返済比率
- 20%程度から最大でも25%以内
返済比率の最低ライン
- 25%から最大でも30%程度
年収倍率
年収倍率は、税込年収に対して何倍くらいが住宅ローン借入の目安になるのか?という指標になります。
理想的な年収倍率
- 6倍以内
年収倍率の最低ライン
- 7倍程度
住宅ローン審査では、最大で8倍以上の借入が可能なケースもありますが、理想は6倍以内から最大でも7倍程度に抑えることが推奨されます。
また、単純に年収倍率だけを目安にすると、金利や借入期間により月々の負担が増えて、返済比率が高くなるケースもあります。
借入期間による年収倍率は以下の目安を参考にして下さい。
借入期間別の年収倍率
借入期間 | 年収倍率の目安 | 返済比率 |
---|---|---|
30年 | 5倍程度 | 20%~最大25%程度 |
35年 | 6倍程度 | 20%~最大25%程度 |
40年 | 6.5~7倍程度 | 20%~最大25%程度 |
上記の年収倍率を目安にすることで、借入金利が2%以内であれば返済比率は20%前後~25%程度に収まります。
借入期間
住宅ローンの借入期間は、自身の年齢を考慮して「何歳までにローンを完済するか?」を検討する必要があります。
返済期間が短い場合の特徴
- 月々の返済負担が大きくなる
- 総利息の支払いが少なくなる
- 団信を付保できる期間も短くなる
返済期間が長い場合の特徴
- 月々の返済負担が少なくなる
- 総利息の支払いが大きくなる
- 団信を付保できる期間も長くなる
- 定年退職後の返済計画を考える必要性がある
- 計画的な繰り上げ返済も考慮する必要がある
- 担保割れになりやすい
担保割れとは?
担保割れとは、住宅ローンの残債よりも、購入した自宅の価値が低くなることを指します。フルローンを利用することや、返済期間を長く設けることで、自宅の価値と住宅ローン残債の差が広がりやすくなります。
将来的に売却や住み替えを検討する際には、一般的には自宅の売却で既存の住宅ローンを完済する必要がありますので、売却金額とローン残債の差額は自己資金で補填することになります。
差額が大きく自己資金で補填できない場合では、売却や住み替えのハードルが高くなりますので注意が必要です。
40代で住宅ローンを組むケースや、若くても35年以上の住宅ローンを組む場合では、それぞれの状況により繰り上げ返済を計画する必要性もあります。
共働き世帯のリスク
共働き世帯では、片働き世帯と比較して、より余裕を持った返済計画を立てる必要性があります。
世帯年収を維持できないケース
- 育児や出産で時間的な制限を受ける
- 想像以上に子供に手が掛かり、仕事に復帰できない
- 保育園の送迎や緊急事態の対応など、親の体調や他の都合で援助を受けられなくなる
- 親の介護で時間的な制限を受ける
- 時短勤務では本来の職種に就けずに収入が下がる
- 家事育児と仕事の両立で精神的負担が大きく働けない状況に陥る
上記のように、共働きの世帯では世帯年収を維持できない状況も考えられます。
片働きの場合でも、転職やリストラなどを理由に収入が下がることも考えられますが、最悪の場合は配偶者が働くことにより収入の補填ができる可能性が高いです。
しかし、はじめから共働きで世帯収入を見込んだ返済計画を立てると、お互いが収入を下げられなくなります。収入合算で住宅ローンの返済を検討する際には、主債務者(一般的には夫)の年収を軸に計画を立てる必要性があります。
住宅の維持費を把握する
予算と住宅ローンの返済期間を決めるためには、購入する自宅の維持費を抑えておかなければなりません。
- 固定資産税
- 火災保険料・地震保険料
- 修繕積立費
- 自治会費
- 月々の光熱費
住宅の維持費をしっかりと把握しなければ、住宅ローンの返済計画がすぐに狂ってしまう原因になります。
以下では、維持費について詳しく解説しております。
世帯年収を維持できない場合の返済負担
冒頭では、理想的な住宅ローンの借入額は、35年ローンで年収の6倍程度が目安と解説しました。
以下では、世帯年収が1200万円で6倍の7200万円の住宅ローンを組んだケースを基に、世帯収入が維持できない状況の返済負担を比較していきます。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
700万円 | 500万円 | 1200万円 | 22% |
700万円 | 950万円 | 27.8% | |
700万円 | 700万円 | 37.8% |
主債務者の年収が700万円の場合では、合算者の収入が何らかの理由により半分になる、もしくは0になった場合、返済比率は理想の比率を大きく超えることとなります。
合算者の収入が0になったケースで考えると、返済比率は40%近くに上昇します。額面年収の4割近い返済額となり、実質の手取り収入で考えると収入の約半分程度を住宅ローンの返済に充てることになり、家計への負担が大きくなります。
片働きの家庭でも、主債務者の収入が転職や止む負えない理由で下がることは考えられますが、最悪の場合は配偶者が共働きになり収入を補填することも可能です。
収入合算は、住宅の選択肢を広げることができる有効的な手段ですが、主債務者の収入を軸にして返済計画を立てる必要性があります。
世帯年収1200万円の理想的な借入額
主債務者の年収が1000万円以上のケース
主債務者の年収が1000万円以上の場合、7200万円以内の住宅ローン借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
1000万円 | 200万円 | 1200万円 | 19.3% |
1000万円 | 1100万円 | 21.1% | |
1000万円 | 1000万円 | 23.2% |
金利2%のシュミレーションでは、仮に合算収入が0になった場合で、返済比率は約29%です。
1000万円の年収があり、返済比率は30%以下なので、ある程度に余裕を持って住宅ローンの返済が可能です。
主債務者の年収が900万円以上のケース
主債務者の年収が900万円以上の場合、6600万円以内の住宅ローン借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
900万円 | 300万円 | 1200万円 | 17.7% |
900万円 | 1050万円 | 20.3% | |
900万円 | 900万円 | 23.6% |
住宅ローンの金利2%までは、収入合算の収入が仮に0になっても、返済比率は30%程度に留まります。
金利上昇や、共働きの世帯収入減少を見越して、長期的に余裕を持って返済できる計画が理想的です。
主債務者の年収が800万円以上のケース
主債務者の年収が800万円以上の場合、6000万円以内の住宅ローン借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
800万円 | 400万円 | 1200万円 | 16.1% |
800万円 | 1000万円 | 19.3% | |
800万円 | 800万円 | 24.2% |
住宅ローンの金利2%までは、収入合算の収入が仮に0になっても、返済比率は30%程度に留まります。
金利上昇や、共働きの世帯収入減少を見越して、長期的に余裕を持って返済できる計画が理想的です。
主債務者の年収が700万円以上のケース
主債務者の年収が700万円以上の場合、5300万円以内の住宅ローン借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
700万円 | 500万円 | 1200万円 | 14.2% |
700万円 | 950万円 | 18% | |
700万円 | 700万円 | 24.4% |
住宅ローンの金利2%までは、収入合算の収入が仮に0になっても、返済比率は30%程度に留まります。
金利上昇や、共働きの世帯収入減少を見越して、長期的に余裕を持って返済できる計画が理想的です。
主債務者の年収が600万円以上のケース
主債務者の年収が600万円以上の場合、4600万円以内の住宅ローン借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
600万円 | 600万円 | 1200万円 | 12.6% |
600万円 | 900万円 | 16.5% | |
600万円 | 600万円 | 24.7% |
住宅ローンの金利2%までは、収入合算の収入が仮に0になっても、返済比率は30%程度に留まります。
年収が600万円程度で、返済比率が30%を超えてくると家計への負担が重くなってきます。金利上昇や、共働きの世帯収入減少を見越して、長期的に余裕を持って返済できる計画が理想的です。
ハウスメーカーは必ず比較して決めよう!
ハウスメーカー選びは、複数の会社を比較することで、それぞれのメリット・デメリットに気が付き易くなります。さまざまな営業マンから提案を受けることで、あらたな考え方や気付きが与えらえることもあります。
マイホーム計画で後悔する理由はさまざまですが、後悔する原因は、「知らなかった」「気付かなかった」の2つです。
マイホーム計画を成功させるために、しっかりとハウスメーカーを比較して、後悔のない計画を進めていきましょう。
LIFULL HOME’S | LIFULL HOME’S 住まいの窓口 | SUUMO注文住宅 | タウンライフ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
提携業者数 | 約700件 | 約200件 | 未公表 | 約300件 | 未公表 | 約1100件 | 190件以上 |
総合 カタログ | あり | あり | あり | あり | あり | ||
間取り集 カタログ | による | メーカーによる | メーカーによる | メーカーによる | メーカーによる | メーカー||
事前の 間取プラン提案 | なし | なし | なし | あり | ※メーカーによる | ありなし | |
間取り 作成 | もらえる | 打ち合わせ後打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 業者紹介前にもらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる |
見積作成 | もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後業者紹介前にもらえる | もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後
特典 | ノート | 家づくりなし | なし | ※成約の場合 | お祝い金キャッシュバックキャンペーンあり | 成功する家づくり7つの法則と間取り | ※成約・着工の場合 | Amazonギフトカード3万円
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返済金額を抑える大きなポイント
地盤の強い土地を選ぶ
住宅を建築する際、地盤が弱い土地を選ぶと、地盤改良工事が必要になる場合があります。この工事は地域や工法によりますが、一般的に50万円~200万円以上の費用がかかることもあります。
土地選びでは予算などの制約があるかもしれませんが、できるだけ地盤が強い土地を選ぶことが重要です。
地盤の強さについては、建築会社や不動産会社から情報を提供してもらえることが多いので、地盤改良の必要性やその費用も合わせて確認しておきましょう。
土地選びでは、地盤改良費用も見込んで比較することがポイントです!
地盤の調べ方や建築地のエリア選定については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので参考にして下さい。
建築費を抑えるポイントを把握する
注文住宅で間取りを決める際、建築費を抑える工夫はいくつかあります。
- 凹凸の少ないシンプルな形状にする
- 総二階建てにする
- 水回りを一箇所にまとめる
- 廊下のスペースを効率よく配置する
- 収納スペースにデッドスペースを活用する
- 屋根の勾配と天井の高さを最適化する
- 標準仕様の範囲内で計画する
- 外構工事は引き渡し後に施工する
- 地盤の良い土地を選択する
- 建築条件付きの土地を選択する
これらのポイントを考慮することで、建築費を削減することが可能です。詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、そちらもご参照ください。
住宅ローンの借入先は必ず比較する
同じ価格の住宅でも、選ぶ金融機関によって返済総額が大きく異なります。住宅ローンは高額かつ長期間の返済が必要なため、金利の違いが数十万円から数百万円の差を生むこともあります。
以下の表で金利の違いによる支払い利息の差を確認できます。
借入金額 | 返済期間 | 金利 | 総利息支払い |
---|---|---|---|
3000万円 | 35年 | 0.8% | 約441万円 |
1% | 約557万円 | ||
4000万円 | 35年 | 0.8% | 約588万円 |
1% | 約743万円 | ||
5000万円 | 35年 | 0.8% | 約733万円 |
1% | 約928万円 | ||
6000万円 | 35年 | 0.8% | 約882万円 |
1% | 約1,114万円 |
金利は0.2%の違いで、100万円~200万円以上の利息を軽減することができます。
- 比較が面倒
- どの金融機関が良いかわからない
- 複数の銀行で審査を依頼するのが面倒
- 審査が終わるまで借入条件がはっきりしない
- 営業マンに任せとけば大丈夫と思ってしまう
- 考えることが多くてそこまで手が回らない
上記のような理由が挙げられます。
土地代や建築費を交渉する人は多いですが、住宅ローンの借入先を複数比較する人は意外と少ないのが現実です。
確かに、自身で直接的に金融機関を探す人は少ない傾向がありますね。
審査通過の確証はありませんし、借入条件もどうなるのか予測しづらいですね・・
審査に通らなかったら無駄になるし・・・
なんだか、考えること自体が面倒になってくる・・・
しかし、複数の金融機関を比較して最適な条件を選ぶだけで、ローン返済の負担を軽減できる可能性が高まります。
また、簡単に効率よく住宅ローンを比較したい人は、モゲチェック
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マイホーム計画のポイント:世帯年収1200万円
以下では、世帯年収1200万円のご家庭が、マイホーム計画を建てる際のポイントを解説していきます。
マイホーム計画のポイント:世帯年収1200万円
- 余裕を持った計画を立てる
- 世帯収入が維持できないケースも考慮する
- 住宅の維持費を把握する(光熱費も)
- ご家庭の状況に合わせた団信に加入する
- 複数の金融機関を比較して好条件を選択する
- 金利の上昇懸念も考慮する
- 住宅メーカーは必ず比較する
世帯年収1200万円のご家庭は、一般的に考えて高収入のご家庭です。全てのご家庭とは限りませんが、日々の生活費も高い傾向があります。
高額な住宅を購入して世帯収入が維持できないと、ライフスタイルの見直しも必要になってきますが、生活の質を下げることはそう簡単ではありません。将来的なリスクに備え、負担が大きい計画を立てないように心がけましょう。
合算の収入が無くなっても、返済比率が30%程度に収まるように計画することで、将来的なリスクを回避できる可能性が高くなります。もしくは、出産や子育てなどで働けない期間が明確な場合、十分な預金を確保しておくことで、より安心に計画を進めることができます。
団体信用生命保険の扱いも単独ローンとは異なります。保障内容が十分かどうか慎重に判断して、予算を組んでください。共働き世帯の団信については以下の記事で詳しく解説しています。
住宅の維持費は以下で詳しく解説しています。
また金融機関と同じく、住宅メーカーも必ず複数を比較して選択するようにしましょう。LIFULL HOME'S
複数を比較することは大変ですが、後から後悔する可能性は下がります。
「思っていたより良かった!」「グレードは下がるがコスパは良い!」など、実際に足を運んで初めて気が付くこともあります。
【世帯年収1200万円の理想的な借入目安】
主債務者の年収が1000万円以上の場合
- 7200万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が900万円程度の場合
- 6600万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が800万円程度の場合
- 6000万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が700万円程度の場合
- 5300万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が600万円程度の場合
- 4600万円以内の借入が理想的
ご家庭の状況に合わせて、安心できる計画を立てるように心がけましょう。