家づくりを進める過程で、複数のハウスメーカーから提案を受けることは非常に大切なステップです。
それぞれのメリットやデメリットに気が付き易くなり、比較することで新たな考え方や気付きを発見することも少なくありません。
実際に、マイホーム計画で後悔する理由はさまざまですが、原因は「知らなかった」「気付かなかった」の2つです。
しかし、複数のハウスメーカーを比較するには、断る場面も避けられません。営業担当者に断りを入れるのは気が引けるものです。
この記事では、元営業マンの筆者が、失礼なくハウスメーカーを断るためのポイントや具体的な例文を紹介します。ストレスなく進めたい方必見です!
- ハウスメーカーを断るときの注意点
- ハウスメーカーを断るタイミング
- ハウスメーカーを断る理由
- ハウスメーカーの断り方
- ハウスメーカーの断り例文
ハウスメーカーを断るときのコツは?
断る際に重要なのは、誠実さとシンプルさです。基本的には、複雑な理由や言い訳を作る必要はありません。
断ることに対して罪悪感を持つ必要はありませんが、営業担当者も仕事として対応していることを忘れず、最低限の礼儀を守ることが大切です。
ハウスメーカーを断るときの注意点
営業担当者は、常に断られることも視野に入れて営業活動をしています。断られた際に、営業担当者が知りたい情報は以下になります。
営業担当者が知りたい情報
- 他社で契約済みなのか?
- 自社がダメな理由は?
何のために知りたいのか?
- 上司へ報告する必要がある
- 理由を知ることで自身の勉強になる
- 挽回できる余地があるのか模索したい
ハウスメーカーを断る際には、上記の点も考慮しながら、自分の意思をはっきりと伝えることが大切です。以下では、スムーズに断るための注意点を紹介します。
はっきり断る
優柔不断な対応は、相手に期待を持たせてしまう原因になります。断ると決めたら、遠回しではなく、明確にはっきりと伝えましょう。また、今後の営業行為は不要なことも伝えましょう。曖昧な表現を避けることで、不要な営業を防ぐことができます。
感謝を伝える
どのような理由であれ、営業担当者は時間を割いて対応してくれています。断る際には、今までの対応に対する感謝の言葉を添えましょう。
理由は明確に伝える
前述にも解説したように、理由を言わなければ聞かれるのがオチです。断る理由は、具体的であるほど相手も理解しやすくなりますし、営業担当者も次のステップに進みやすくなります。ただし、相手を傷つけないよう配慮した言葉選びが重要です。
対面はできるだけ避ける
断る場面では、対面よりも電話やメール、LINEなどの方法を使う方が、お互いに負担が少なく済みます。対面だと断りにくく、相手も感情的になりやすいため、適度な距離感を保てる非対面の方法が無難です。
連絡は無視しない
断りたいと感じていたとしても、連絡を無視するのは避けましょう。営業担当者に誠実さを示すためにも、きちんと対応し、返答をしましょう。無視されると相手も困惑し、余計なトラブルに発展する可能性もありますし、自宅まで訪ねてくる可能性も否定できません。
これらのポイントを押さえて、意思が固い雰囲気を作り出しましょう。曖昧な対応では、営業マンに対して無駄な期待感を与えてしまいます。はっきりと断り、次のステップに進みましょう。
住宅会社を断るタイミングは?
断るタイミングは早ければ早いほど良いです。見積もりをもらった時点や初回の打ち合わせの段階で違和感を感じた場合でも、できるだけ早く伝える方が良いです。
時間が経つほど、担当者も計画に時間と労力を費やしてしまうため、断るハードルが高くなります。とはいえ、迷った場合はしっかりと検討する時間を確保することも重要です。
断りやすいタイミングで断る
断りやすいタイミングは、以下になります。
- 初回の面談後
- メーカーの特徴について一通り説明を受けた後
- 概算の見積もりを提示された後
- 銀行の事前審査や土地の買付申込を提案された後
- 正式な見積提案を受けた後
- 契約を迫られたタイミング
断りやすい状況を演出する
営業担当者は、面談時に次回のアポイントを必ず取ろうとするのが基本です。目安としては1週間以内、長くても2週間以内にアポイントを取ろうとしてきます。
断りたいけど対面では断りづらい場合や、今後も該当のハウスメーカーを検討するかどうしようか迷っているときは、他社も同時並行で検討したい旨を伝え、自ら期限を切って次回のアポイントについて連絡することを約束しましょう。
曖昧にしておいても、結果的には担当者から何らかの営業を受けることになります。自ら期限を決めて連絡することを約束して、「次回の商談も継続するのか?」「断るのか?」を判断して期限内に連絡するようにしましょう。
このように前置きしておくことで、断る際のハードルは低くなります。
ハウスメーカーの断り方
ここでは、ハウスメーカーに対して断る理由と、断り方について解説していきます。住宅の購入を検討しているユーザーが断りたい理由は、大きく分けると以下の3点です。
一般的な断りたい理由
- 予算が合わない
- 提案と商品に魅力を感じない
- 営業担当者に不満がある
断る理由に関しては、基本的に嘘を付く必要性はありませんが、「営業担当者に不満がある場合」では、例外もあります。「当たり障りなく関係性を切りたい」と考える人は、適切な理由を付けて、感情的にならず冷静に伝えることが大切です。
ハウスメーカーを断る理由
住宅購入を見送る
最も一般的な理由のひとつが、「住宅購入自体を見送る」というものです。予算やライフスタイルの変化、経済状況などの影響で、家づくりを一旦見合わせる場合があります。この場合は、「現在の状況では購入を考え直すことにしました」と正直に伝えれば、営業担当者も納得しやすいです。
他社で決めた
他のハウスメーカーの提案や条件が魅力的だった場合は、素直に「他社でお願いすることに決めました」と伝えるのがベストです。この理由はシンプルかつ正当で、相手も深追いしづらいので、すっきりと断ることができます。また、感謝の言葉を忘れずに伝えることで、より丁寧な印象を与えられます。
両親や親戚の反対
家づくりは家族の意見が大きく影響します。両親や親戚からの反対が理由で断る場合も少なくありません。「親族の意見を尊重した結果、今回は見送ることにしました」と伝えれば、感情的にならずに円満に断ることができます。このような家庭の事情は、営業担当者にとっても理解しやすい理由です。
特に20代などの若い世代では、断りやすい理由になります。
予算が合わない
概算や正式に提案されたプランやオプションが予算をオーバーしている場合、「予算が合わないため、今回は見送らせていただきます」と率直に伝えましょう。予算が合わないという理由は、非常に現実的で納得してもらいやすい理由です。また、無理に契約を進めることで後悔する可能性が高くなるため、早めに判断することが重要です。
営業行為がしつこい
営業担当者がしつこく連絡をしてきたり、強引な営業スタイルが気になる場合もあります。
この場合、「現状ではゆっくりと検討したい段階なので、今回は見送らせていただきます。またタイミングが来ましたら、あらためて相談することもあるかも知れませんが、現時点では営業の連絡はお控えください。」とやんわりと伝えましょう。
直接的に「しつこい」と言うのではなく、あくまで自分の感じ方として伝えることで、相手を不快にさせずに断ることができます。
これらの理由を参考にしつつ、状況に合わせて自分の言葉で丁寧に伝えることが大切です。しっかりと理由を明確にすることで、スムーズなコミュニケーションが図れ、不要な営業行為を避けることができます。
逆提案を受けることもある
ハウスメーカーへの断りでは、断る理由に対して逆に提案を受けることも少なくありません。
逆提案の具体的な例
- 「予算が合わない」→「予算に収められたら検討可能なのか?」
- 「親族の反対」→「親族への説得をさせて欲しい」
営業マンは断られることに慣れていて、上記のように対策を提案してくるケースもよくあります。実際に問題解決を進めたい気があれば良いのですが、現実はそのようなケースは少ないと思います。
経験が浅い営業マンや、商談案件が少ない営業マンは、商談案件が無くなること自体を懸念する傾向があります。理由は、会社に対して案件を動かしているポーズが必要になることもあるからです。
営業マン本人もダメ元で提案をしてくることがありますが、実際に提案を聞きに行くと「少し安くなっているが予算には合ってない」ということもあります。注文住宅は、在庫を販売する訳ではないので、大幅な値引きは通常あり得ません。
断る理由が他責の場合は、逆提案を受ける可能性が高まります。自身の意見をはっきり言うように心がけましょう!
ハウスメーカーの断り方:電話
電話では直接言いづらいというデメリットもありますが、担当者との関係性によっては、お礼も含めて電話で直接伝えたいこともあります。良好な関係性の場合は、営業担当者も1通のメールで終わるよりも、直接話をしてくれた方が良い印象を受けると思います。
しかし、会社の代表電話で断りを受ける営業マンは、切ない思いをすることもあります。営業マンの性格や立場を考慮して、携帯電話へ直接連絡するなどの配慮も視野に入れましょう。
ハウスメーカーの断り方:メールやLINE
メールやLINEを使って断る方法は、断りづらい状況においてはハードルが低くなります。営業担当者の返信にも時間的な余裕を持って適切に対応することができます。
メールやLINEの例文
以下では、メールやLINEで断るときの例文を3つ紹介しますので、参考にして下さい。
※状況や関係性に応じて適切に修正してご利用ください。
「〇〇様
先日はお打ち合わせいただき、ありがとうございました。色々と検討しました結果、今回は他のメーカーを考えることにいたしました。貴社のご提案に感謝しておりますが、今回のご縁はここで一旦お断りさせていただきます。今後のご活躍をお祈りいたします。
〇〇(自分の名前)」
ハウスメーカーにどのような方法で断りをするのか、共通した正解はありません。ハウスメーカーや営業担当者に対して最低限の配慮は必要ですが、自身が断りやすい方法を選択することが重要です。
家づくりは、日々の仕事や家事育児の合間に、多くの貴重な時間や気力を費やします。できるだけストレスがかからない方法を選択して、スムーズに計画を進めていきましょう。
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ハウスメーカーを断るのはつらい
ハウスメーカーを断るのは決して楽なことではありません。特に営業担当者と信頼関係ができている場合、断るのが心苦しいこともあります。
しかし、ハウスメーカーを断ることは、家づくりのプロセスの一部です。複数のハウスメーカーを比較することで、必ず満足度は高くなります。
最終的には自分たちの理想の家づくりのために正しい決断をすることが大切です。焦らず、相手に対して感謝の気持ちを持ちながらも、冷静に断りを入れることが大切です。
自分たちの理想の家を実現するためには、妥協せず、最良の選択をすることが求められます。