住宅ローンの理想的な借入額の目安は、35年ローンで年収の約6倍程度です。
もちろん、各世帯により家庭の収支は大きく異なりますが、一般的な35年ローンで借入を行う場合、6倍程度に抑えることで返済比率(返済負担額)も20%前後に落ち着き、ある程度余裕を持って返済をすることができます。
しかし、世帯収入で予算を考える際には、単純に世帯収入の合計金額だけで予算を立ててしまうのは安易な考えかも知れません。以下の点に注意して、余裕を持った計画を立てましょう。
- 主債務者の収入を軸に考える
- 世帯収入が維持できない状況も考慮する
特に子育て世帯では、上記の点を考慮して考えると、理想的な借入額は以下のようになります。
主債務者の年収が800万円以上の場合
- 6000万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が700万円程度の場合
- 5300万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が600万円程度の場合
- 4600万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が500万円程度の場合
- 3900万円以内の借入が理想的
住宅ローンは、30年以上の長期間に渡り返済を行いますので、世帯収入が維持できない状況も踏まえて予算を決める必要性があります。特に、子育て世帯では、「共働きを続けられない」「時短勤務で収入が維持できない」などの可能性は、誰にでもあり得ます。
収入合算の住宅ローンは、住宅の選択肢を広げることができる有効的な手段ではありますが、主債務者の収入を軸に考えて、余裕を持った計画を立てる必要性があります。
また、借入額が大きくなるほど住宅ローンの利息は増えます。複数の金融機関を比較して、好条件の銀行を選択するようにしましょう。
モゲチェック の住宅ローン診断を利用すると、審査の通過確率を提示してくれて、簡単に複数の金融機関を比較することが可能となります。さらに、モゲチェック限定の優遇金利も無料で利用できます。
この記事では、世帯年収1000万円の家庭では、どれくらいの住宅ローン借入が理想的なのか、夫婦の収入割合別で紹介しています。また、収入が維持できないリスクについても、詳しく解説しています。
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世帯収入を維持できないリスク
共働き世帯の中で、特に子育て世帯や、これから子育てを予定している世帯では、継続的に現在の世帯収入を維持できない可能性を考慮して、住宅ローンの返済計画を立てる必要があります。
以下では、共働きを続けられない、または時短勤務を強いられるなどの理由で、世帯収入を維持できないケースをいくつか紹介します。
世帯収入を維持できない状況
- 出産・育児によって時間に制限を受ける
- 親の介護で時間に制限を受ける
- お子さんに想像以上に手がかかり、仕事との両立が難しくなる
- 時短勤務により収入減、または時短勤務で本来の職種に就けない
- 育児や保育園のお迎えなど、親の体調不良などの原因で協力が受けられなくなる
- 家事育児と仕事の両立で、精神的負担が大きくなり働けない状況に陥る
共働き世帯と、片働き世帯の圧倒的な違いは、夫婦ともに時間に大きな制約を受けることです。
住宅ローンの返済はもちろん大切ですが、犠牲にする対象が、子や両親などの家族の場合、放っておくことはできません。また、家事育児と仕事の両立で、精神的な負担が大きくなり、体調を崩すことも珍しい話ではありません。
片働き世帯では、あたりまえに出来ることが、共働き世帯では時間的な制約を受けてできなくなります。
世帯収入を維持できない場合の返済負担
冒頭では、理想的な住宅ローンの借入額は、35年ローンで年収の6倍程度が目安と解説しました。
以下では、世帯収入が維持できない状況の返済負担を比較していきます。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
600万円 | 400万円 | 1000万円 | 22% |
600万円 | 800万円 | 27.5% | |
600万円 | 600万円 | 36.7% |
返済比率(返済負担額)は、一般的に20%前後が理想となり、最大でも25%以内に収めることが望ましいです。
しかし、上記のケースの場合、合算者の収入が何らかの理由により半分になる、もしくは0になった場合、返済比率は理想の比率を大きく超えることとなります。
合算者の収入が0になったケースで考えると、手取りではなく額面年収に対して、4割近い金額の返済をすることになります。
片働きの家庭でも、主債務者の収入が転職や止む負えない理由で下がることは考えられますが、最悪の場合は配偶者が共働きになり収入を補填することも可能です。特に、合算者の収入割合が高い世帯では、共働きの収入を100%見込んで借入をしてしまうと、想定外の状況に陥った際に、対策することができず、返済が困難になる可能性も考慮しなければなりません。
理想的な年収倍率(借入期間別)
住宅ローンの借入目安は、35年ローンで年収の約6倍程度と解説しています。しかし、借入期間や金利により月々の返済額は増減し、返済比率も同時に増減します。
借入金利が2%以内であれば、以下の年収倍率を目安にすると、返済比率は20%前後に落ち着きます。
借入期間 | 年収倍率の目安 | 返済比率の目安 |
---|---|---|
30年 | 約5倍以内 | 20%前後 |
35年 | 約6倍以内 | 20%前後 |
40年 | 約6.5倍以内 | 20%前後 |
返済期間が長くすることで、同じ返済額でも大きく借入をすることができます。
20代で住宅購入をする場合など、返済に負担大きい世帯では住宅の選択肢を広げることができますが、総利息は大きくなるので注意が必要です。
以下の記事でも詳しく解説していますが、計画的な繰り上げ返済なども視野に入れて慎重に判断する必要があります。
世帯年収1000万円の理想的な借入額
主債務者の年収が800万円程度
主債務者の年収が800万円程度の場合、6000万円以内の借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
800万円 | 200万円 | 1000万円 | 約19% |
800万円 | 900万円 | 約21% | |
800万円 | 800万円 | 約24% |
住宅ローンの金利2%までは、収入合算の収入が仮に0になっても、返済比率は30%に留まります。
主債務者の年収が700万円程度
主債務者の年収が700万円程度の場合、5300万円以内の借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
700万円 | 300万円 | 1000万円 | 約17% |
700万円 | 850万円 | 約20% | |
700万円 | 700万円 | 約24% |
住宅ローンの金利2%までは、収入合算の収入が仮に0になっても、返済比率は30%に留まります。
主債務者の年収が600万円程度
主債務者の年収が600万円程度の場合、4600万円以内の借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
600万円 | 400万円 | 1000万円 | 約15% |
600万円 | 800万円 | 約18% | |
600万円 | 600万円 | 約24% |
住宅ローンの金利2%までは、収入合算の収入が仮に0になっても、返済比率は30%に留まります。
主債務者の年収が500万円程度
主債務者の年収が500万円程度の場合、3900万円以内の借入が理想的です。
夫の年収 | 妻の年収 | 合算年収 | 返済比率 |
---|---|---|---|
500万円 | 500万円 | 1000万円 | 約13% |
500万円 | 750万円 | 約17% | |
500万円 | 500万円 | 約25% |
住宅ローンの金利2%までは、収入合算の収入が仮に0になっても、返済比率は31%に留まります。
ハウスメーカーは必ず比較して決めよう!
ハウスメーカー選びは、複数の会社を比較することで、それぞれのメリット・デメリットに気が付き易くなります。さまざまな営業マンから提案を受けることで、あらたな考え方や気付きが与えらえることもあります。
マイホーム計画で後悔する理由はさまざまですが、後悔する原因は、「知らなかった」「気付かなかった」の2つです。
マイホーム計画を成功させるために、しっかりとハウスメーカーを比較して、後悔のない計画を進めていきましょう。
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---|---|---|---|---|---|---|---|
提携業者数 | 約700件 | 約200件 | 未公表 | 約300件 | 未公表 | 約1100件 | 190件以上 |
総合 カタログ | あり | あり | あり | あり | あり | ||
間取り集 カタログ | による | メーカーによる | メーカーによる | メーカーによる | メーカーによる | メーカー||
事前の 間取プラン提案 | なし | なし | なし | あり | ※メーカーによる | ありなし | |
間取り 作成 | もらえる | 打ち合わせ後打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 業者紹介前にもらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる |
見積作成 | もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後業者紹介前にもらえる | もらえる | 打ち合わせ後もらえる | 打ち合わせ後
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返済金額を抑える大きなポイント
地盤の強い土地を選ぶ
住宅を建築する際、地盤が弱い土地を選ぶと、地盤改良工事が必要になる場合があります。この工事は地域や工法によりますが、一般的に50万円~200万円以上の費用がかかることもあります。
土地選びでは予算などの制約があるかもしれませんが、できるだけ地盤が強い土地を選ぶことが重要です。
地盤の強さについては、建築会社や不動産会社から情報を提供してもらえることが多いので、地盤改良の必要性やその費用も合わせて確認しておきましょう。
土地選びでは、地盤改良費用も見込んで比較することがポイントです!
地盤の調べ方や建築地のエリア選定については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので参考にして下さい。
建築費を抑えるポイントを把握する
注文住宅で間取りを決める際、建築費を抑える工夫はいくつかあります。
- 凹凸の少ないシンプルな形状にする
- 総二階建てにする
- 水回りを一箇所にまとめる
- 廊下のスペースを効率よく配置する
- 収納スペースにデッドスペースを活用する
- 屋根の勾配と天井の高さを最適化する
- 標準仕様の範囲内で計画する
- 外構工事は引き渡し後に施工する
- 地盤の良い土地を選択する
- 建築条件付きの土地を選択する
これらのポイントを考慮することで、建築費を削減することが可能です。詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、そちらもご参照ください。
住宅ローンの借入先は必ず比較する
同じ価格の住宅でも、選ぶ金融機関によって返済総額が大きく異なります。住宅ローンは高額かつ長期間の返済が必要なため、金利の違いが数十万円から数百万円の差を生むこともあります。
以下の表で金利の違いによる支払い利息の差を確認できます。
借入金額 | 返済期間 | 金利 | 総利息支払い |
---|---|---|---|
3000万円 | 35年 | 0.8% | 約441万円 |
1% | 約557万円 | ||
4000万円 | 35年 | 0.8% | 約588万円 |
1% | 約743万円 | ||
5000万円 | 35年 | 0.8% | 約733万円 |
1% | 約928万円 | ||
6000万円 | 35年 | 0.8% | 約882万円 |
1% | 約1,114万円 |
金利は0.2%の違いで、100万円~200万円以上の利息を軽減することができます。
- 比較が面倒
- どの金融機関が良いかわからない
- 複数の銀行で審査を依頼するのが面倒
- 審査が終わるまで借入条件がはっきりしない
- 営業マンに任せとけば大丈夫と思ってしまう
- 考えることが多くてそこまで手が回らない
上記のような理由が挙げられます。
土地代や建築費を交渉する人は多いですが、住宅ローンの借入先を複数比較する人は意外と少ないのが現実です。
確かに、自身で直接的に金融機関を探す人は少ない傾向がありますね。
審査通過の確証はありませんし、借入条件もどうなるのか予測しづらいですね・・
審査に通らなかったら無駄になるし・・・
なんだか、考えること自体が面倒になってくる・・・
しかし、複数の金融機関を比較して最適な条件を選ぶだけで、ローン返済の負担を軽減できる可能性が高まります。
また、簡単に効率よく住宅ローンを比較したい人は、モゲチェック
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予算を組むポイント:世帯年収1000万円
世帯収入1000万円のご家庭は、地域により異なりますが一般的には高収入のご家庭になります。全てのご家庭ではありませんが、生活基準が高い傾向があります。以下のポイントに注意して無理のない予算を立てましょう。
予算を組むポイント:世帯年収1000万円
- 余裕を持った計画を立てる
- 世帯収入が維持できないケースも考慮する
- 住宅の維持費を把握する(光熱費も)
- ご家庭の状況に合わせた団信に加入する
- 複数の金融機関を比較して好条件を選択する
- 金利の上昇懸念も考慮する
- 住宅メーカーは必ず比較する
これまでに解説した目安を参考にして、「主債務者の収入が今後上がっていくのか?」「働けなくなった期間を預金で補填できるか?」なども考慮して、総合的に判断することが大切です。
仮に合算者の収入が無くなり、返済比率が30%前後になるのは、決して低い数値ではありませんし、ライフスタイルの見直しなどは必要になるかも知れませんが、一般的に考えると住宅ローンの返済が困難になることは回避できます。
冒頭のシュミレーションで解説したように、返済比率が40%近くになると、実質は手取り収入の約半分は住宅ローンの支払いに消えてしまう計算になりますし、変動金利の場合は、金利が上昇すれば将来的に返済額も増えてしまいます。
団体信用生命保険の扱いも単独ローンとは異なります。保障内容が十分かどうか慎重に判断して、予算を組んでください。団信については以下の記事で詳しく解説しています。
住宅の維持費は以下で詳しく解説しています。
また金融機関と同じく、住宅メーカーも必ず複数を比較して選択するようにしましょう。LIFULL HOME'S
複数を比較することは大変ですが、後から後悔する可能性は下がります。
「思っていたより良かった!」「グレードは下がるがコスパは良い!」など、実際に足を運んで初めて気が付くこともあります。
主債務者の年収が800万円以上の場合
- 6000万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が700万円程度の場合
- 5300万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が600万円程度の場合
- 4600万円以内の借入が理想的
主債務者の年収が500万円程度の場合
- 3900万円以内の借入が理想的
ご家庭の状況に合わせて、安心できる計画を立てるように心がけましょう。