住宅ローンの繰り上げ返済は、多くの人が早期に借金を返済し、利息負担を軽減するための手段として考えています。しかし、繰り上げ返済には、各家庭の状況によりデメリットとなることも考えられ、以下の3点には注意が必要です。
- 団体信用生命保険の付保がある
- 住宅ローン控除が利用できる
- 資産運用の選択肢がある
本記事では、住宅ローンの繰り上げ返済を慎重に検討すべき理由を解説します。
住宅ローン控除や団体信用生命保険、資産運用の可能性について詳しく説明し、最良の判断を下すための情報を提供します。
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繰り上げ返済してはいけない理由3選
団体信用生命保険の付保がある
住宅ローンを組む際、多くの金融機関で団体信用生命保険(団信)の加入が必須とされています。
団信は、住宅ローンを借りた本人が死亡または高度障害状態などになった場合、残りのローンを保険金で全額支払うものです。これにより、万が一の事態が発生しても、家族が住宅ローンの支払いから解放され、住居を守ることができます。
繰り上げ返済を行うと、ローンの元本が減少するため、保険の保障範囲もそれに応じて縮小されます。
例えば、3000万円のローンを組んでいた場合、繰り上げ返済により残高が1000万円になったとします。この場合、団信の保障額も1000万円に減少します。もしも繰り上げ返済を行わずに3000万円のまま保持していれば、何かあった際には全額が保険でカバーされるのです。これにより、残された家族の生活基盤を守ることができます。
また、団信には病気による死亡や高度障害のみならず、がんや心筋梗塞、脳卒中など特定の疾病に対する保障が含まれることもあります。
特に最近では、三大疾病保障付きの団信が増えており、繰り上げ返済によってこの保障が減少するリスクも考慮すべきです。団信は安心のための重要な保険であり、その価値を理解した上で繰り上げ返済の判断をすることが必要です。
万が一の事態が起こった場合は、「繰り上げ返済しなくて良かった!」となりますし、完済することになれば「繰り上げ返済しておけば良かった!」となるので、とても難しい判断ですね。
住宅ローン控除が利用できる
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、日本の税制上の優遇措置で、住宅ローンを借り入れて住宅を購入した場合に一定期間、所得税や住民税から控除を受けられる制度です。
この制度の大きなメリットは、所得税額を軽減できる点にあります。控除額は、ローン残高に基づいて計算されるため、ローン残高が大きいほど控除額も大きくなります。
例えば、住宅ローンの残高が3000万円で控除率が1%の場合、年間30万円の所得税が控除されます。しかし、繰り上げ返済によって残高が1000万円に減少すると、控除額も年間10万円に減少します。これは、繰り上げ返済を行わない場合に比べて税制上のメリットが減少することを意味します。
また、住宅ローン控除は一定の年数にわたって適用されるため、その期間中に繰り上げ返済を行うことで、控除期間全体で受けられる税額控除が減少する可能性があります。
特に、控除期間中に借入金利が低い場合、繰り上げ返済の利点が薄れる可能性があります。例えば、借入金利が0.5%で、住宅ローン控除の利率が1%または0.7%の場合、繰り上げ返済をすることで税制上のメリットを失う可能性があります。
住宅ローン控除の詳細については、以下の記事で詳しく解説しております。
資産運用の選択肢がある
近年では金利上昇の懸念もありますが、まだまだ住宅ローンの金利は非常に低い水準にあります。このため、繰り上げ返済を行うよりも、その資金を別の形で運用することで、より高いリターンを得ることが可能な場合もあります。
例えば、株式市場や投資信託、不動産投資などは、リスクが伴うものの、長期的には住宅ローンの金利を上回るリターンを得られる可能性があります。
具体的には、住宅ローンの金利が1%で、投資信託の平均リターンが年利3%と仮定した場合、ローンを繰り上げ返済するよりも、投資に回した方が長期的には利益を得やすくなります。ただし、投資にはリスクがあり、元本割れの可能性もあるため、自分のリスク許容度や投資に対する知識を考慮した上で判断する必要があります。
また、資産運用を考える際には、分散投資が重要です。例えば、株式、債券、不動産など異なる種類の資産に投資することで、リスクを分散し、安定したリターンを追求することができます。
このように、繰り上げ返済の資金を活用して、より高いリターンを得るための資産運用を検討することも一つの選択肢です。
投資には、リスクや十分な知識も必要になります。
投資には興味が持てない、リスクを取りたくないと考える人は、無理に投資をする必要はありません。
繰り上げ返済には2種類の方法
期間短縮型
期間短縮型の繰り上げ返済は、毎月の返済額はそのままに、返済期間を短縮する方法です。
この方法を選択することで、総返済額を大幅に減少させることができます。期間短縮型は、返済期間中に支払う利息が減少するため、結果として総返済額が少なくなります。
例えば、35年ローンを組んでいる場合、期間短縮型の繰り上げ返済を行うことで、30年に短縮できるとします。この5年間分の利息を節約できるため、総返済額が大幅に減少します。ただし、この方法を選択すると毎月の支出額は変わらないため、他の出費に対する余裕がない場合は注意が必要です。
- 返済期間を短縮できる
- 月々の返済額は変わらない
- 利息を大きく軽減できる
返済額軽減型
返済額軽減型の繰り上げ返済は、返済期間はそのままに、毎月の返済額を減らす方法です。
この方法のメリットは、毎月のキャッシュフローを改善できる点にあります。毎月の支出が減ることで、生活費や他の支出に充てる余裕が生まれます。
例えば、月々10万円の返済をしている場合、返済額軽減型の繰り上げ返済を行うことで、月々の返済額を8万円に減らすことができます。これにより、月々2万円の余裕ができ、他の目的に資金を使えるようになります。
- 月々の返済負担を軽減できる
- 返済期間は変わらない
- 利息をある程度軽減できる
期間短縮型と返済額軽減型どちらがいいのか?
期間短縮型と返済額軽減型のどちらを選ぶかは、個々の状況や目標によって異なります。
もし総返済額を減らすことを最優先したい場合は、期間短縮型が適しています。一方、毎月の支出を減らしてキャッシュフローを改善したい場合は、返済額軽減型が有効です。
例えば、将来的に子供の教育費や他の大きな出費が予定されている場合、返済額軽減型で月々の支出を抑え、将来に備えることが賢明です。逆に、早期にローンを完済して資産形成を加速させたい場合は、期間短縮型が有効です。
いずれにせよ、自分のライフプランや経済状況に合わせた選択が求められます。
繰り上げ返済の注意点
緊急資金の確保
繰り上げ返済を行う際には、緊急資金の確保が重要です。
繰り上げ返済によって手元の資金が減少すると、突発的な出費に対応できなくなるリスクがあります。例えば、医療費、冠婚葬祭など、予測不可能な出費が発生した場合に備え、一定額の緊急資金を確保しておくことが推奨されます。
これにより、急な出費が発生しても、慌てることなく対応できる体制を整えることができます。また、繰り上げ返済によって手元資金が減少することで、資金繰りに困るリスクも回避できます。
今後の大きな出費を把握する
繰り上げ返済を検討する際には、今後の考えられる大きな出費を把握して、余裕の持った余剰資金を返済に充てるようにしましょう!
- 教育資金
- 自動車の購入費
- 住宅の修繕費用
- 家具家電の買い替え費用
住宅ローンは、自動車ローンやリフォームローンと比較しても、とても低金利です。
今後の計画をしっかり立てて、無駄なローンを組まないように必要な現金は残しておきましょう!
住宅ローンの借り換えも検討する
繰り上げ返済をして月々の支払額や利息を抑えたいが、余剰資金に不安が残る場合には住宅ローンの借り換えも含めて検討する方法もあります。
現在の借入金利が高い場合、もしくは他の金融機関でさらに低金利で借入が可能な場合には、借換えに必要な諸経費を差し引いても借換えをした方が得になるケースも少なくありません。
好条件で借り換えできる金融機関があれば、手持ちの資金を崩さずに返済負担を軽減できます。
モゲチェック
繰り上げ返済した方が良い人とは?
繰り上げ返済が適している人にはいくつかの特徴があります。
まず、確実にローンを早く完済したいと考えている人です。特に、住宅ローンの金利が高い場合、早期完済によって利息の支払いを大幅に減らすことができます。また、退職後の収入が不安定になることを考慮し、現役時代にローンを完済しておきたい場合も繰り上げ返済が有効です。
さらに、資産運用に対してリスクを取ることに抵抗がある人も、繰り上げ返済を検討するべきです。投資にはリスクが伴うため、安定的にローンを減らすことで安心感を得たいと考える人には、繰り上げ返済が適しています。
また、家計に余裕がある場合、繰り上げ返済によって資産を減少させるリスクが小さいため、ローン完済を優先することも考えられます。しかし、資金に余裕がない場合や将来の大きな支出が見込まれる場合は、慎重に判断する必要があります。特に、緊急資金を確保しつつ、ローン返済を進めることが重要です。
- とにかく完済したい人
- 余剰資金が豊富な人
- 借入期間を長く契約した人(35年~50年)
- 金利が高い人
- 住宅ローン控除のメリットがない人
- 定年までに完済したい人
- 住宅ローンの精神的負担が重い人
これらの内容を踏まえて、自分にとって最適な繰り上げ返済の方法を見つけ、計画的に進めることが重要です。住宅ローンは長期にわたる大きな負担ですので、慎重に検討し、適切な判断を下してください。また、金融機関や専門家に相談することで、より詳しいアドバイスを得ることができるため、積極的に利用しましょう。
住宅ローンを比較するなら無料のモゲチェック!
住宅ローンの選択は、マイホームを建てるうえで非常に重要なステップです。高額で返済期間が長い住宅ローンでは、少しの金利差で数十万円~数百万円も利息が節約できます。
しかし、さまざまな金融機関の条件を自分で比較するのは時間がかかり、手間も多いものです。また、プロである営業マンに任せておけば大丈夫だろうと考えてしまう人も少なくありません。
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さらに、モゲチェックに登録すると、金融機関別でローン審査に通過する確率を提示くれて、モゲチェック限定の優遇金利も利用できます。
モゲチェックでできること
モゲチェックは、住宅ローンを検討している方にとって便利で使いやすいツールです。ここでは、モゲチェックを利用することで得られる主なメリットをご紹介します。
住宅ローン診断ユーザー限定の優遇金利がある
モゲチェックに登録すると、モゲチェック限定の優遇金利を利用できる金融機関もあります。高額で長期間の住宅ローン返済では、少しの金利差が大きな利息の節約になります。
※各銀行の審査の結果、優遇金利を利用できない場合もあります。
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モゲチェックでは、複数の金融機関からの住宅ローン提案を一度に比較することが可能です。借入金利の違いや、団体信用生命保険(団信)の充実度など、さまざまな視点からローンを比較検討できます。これにより、自分に最も適した金融機関を見つけることが容易になります。
返済のシミュレーションができる
モゲチェックは、ローンの返済シミュレーションを行う機能も提供しています。月々の返済額や総返済額をシミュレーションすることで、将来的な資金計画を立てやすくなります。また、借り換えを検討している場合も、現在のローンとの比較シミュレーションが簡単にでき、どれだけの節約効果があるかを確認することができます。
相性の良い金融機関を提案してくれる
モゲチェックは、利用者の登録内容に基づいて、おすすめの金融機関を提案してくれます。さらに、各金融機関の住宅ローン審査に通過できる確率を表示してくれる機能もあり、自分にとって最も現実的な選択肢を把握することができます。
登録した情報で事前審査ができる
モゲチェックでは、一度登録した情報をもとに、複数の金融機関に対して事前審査を依頼することができます。これにより、各金融機関の審査基準に基づいて、事前にローンの可否を確認できるため、無駄な手続きを省き、効率的に進めることができます。
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モゲチェックは、複数の金融機関の住宅ローンを一括で比較できる便利なツールで、時間と手間を大幅に削減することが可能です。また、返済シミュレーションや金融機関の提案、事前審査の依頼が簡単に行える点も魅力的です。
マイホームの購入を検討している方は、ぜひモゲチェックを活用して、最適な住宅ローンを見つけてください。
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