「養育費不払いについて、国の立て替えはいつから始まるの?」
離婚問題に直面している方にとって、これは非常に不安な問題だと思います。 将来的な制度改正の可能性は議論されていますが、現時点では未定です。
結論からお伝えすると、現状、全国共通の「国による毎月立て替え制度(実質的な補助)」は存在しません。
多くの自治体が実施しているのは、公正証書作成などに必要な「手続きの助成金」が主流です。不払い時に現金を立て替える「実質的な立替えサービス」は、兵庫県明石市や埼玉県さいたま市などごく少数の例外的な取り組みにとどまっています。まずはお住まいの地域の行政に立替え支援の有無を直接確認しましょう。
子ども家庭庁の最新データでは、養育費を「一度も受け取っていない」家庭の割合が高く、当初受け取れないと、その後もずっと受け取れない可能性が非常に高い現実があります。
だからこそ、この不安な時期に助成金を活用し、法的な取り決め(公正証書など)という確固たる土台を築くことが最優先です。その上で、不払いリスクに備えるための「養育費保証サービス」という選択肢もあります。
この記事では、現状の公的支援の制度、法的準備の重要性、そして養育費保証サービスの活用法をわかりやすく解説します。
※この記事は一般的な妻側の視点で構成されいます。
公的支援の2つの種類を明確にしましょう
「国が立て替える」という誤解の背景と、公的支援の「実質的な補助(立替)」と「手続きに必要な補助(助成)」の違いを明確にし、あなたがどの支援を探すべきかを明確にしましょう。
全国一律の「立て替え」はなく自治体の「助成」が主流
行政は、養育費確保支援として自治体に補助金を支出していますが、その支援は「養育費の立替」ではありません。自治体が実施している支援のほとんどは、あなたが確実な取り決めをするための「手続きに必要な初期費用の補助(助成)」です。
| 補助の種類 | 目的 | 具体的な内容(例) |
| 手続き補助 (助成) | 法的準備(公正証書作成など)にかかる初期費用を軽減するため | 公正証書作成費用助成、保証契約の初回保証料助成 |
| 実質的な補助 (立替) | 養育費が不払いになった際に、一時的に現金を支払うため | 明石市・さいたま市が行っている養育費立替支援 |
この仕組みからわかるのは、全国で一般的に実施されているのは「助成」であり、「立替」は極めて例外的な支援だということです。
養育費の立替支援事業とは
兵庫県明石市やさいたま市は、「実質的な補助」となる「こどもの養育費立替支援事業」を実施しています。
| 支援の内容 | ポイントと公式サイト |
| 市による 立替払い | 養育費が支払われないとき、市が支払義務者へ働きかけをした上で、市が立替払い(最大3か月分、上限月額5万円)を実施しています。立替後、市が義務者に対して督促を行います。 |
| 公式サイト | 明石市:養育費立替支援事業 さいたま市:養育費立替支援事業 ※地域の行政に確認しましょう。 |
「不払い時の立て替え」という点で非常に重要ですが、これも「恒久的な立て替え」ではなく、不払いが発生した際の緊急的な支援であることを理解しておきましょう。
今後の改正の可能性:「公的な立て替え制度」
現在、子どもの貧困対策の観点から、法務省や子ども家庭庁を中心に、養育費の不払いが発生した場合に国や自治体が公的に立て替える制度の創設が、重要な政策課題として議論されています。
政府の会議体では、不払い時の公的保証制度や、支払義務者からの徴収を強化する仕組みが検討されており、将来的に全国一律の「実質的な補助(立替)」が実現する可能性はあります。
しかし、この制度がいつから、どのような形で実現するかは現時点では未定であり、法改正や予算措置が必要です。現時点で頼れるのは、お住まいの自治体の既存の助成制度と、あなた自身が準備する公正証書、そして民間保証サービスであることを念頭に置いて準備を進めましょう。
手続きに必要な補助(助成)を行っている自治体
全国の自治体が行っている「手続きに必要な補助(助成)」の例です。これらの助成制度を利用することで、公正証書作成や保証契約にかかる初期費用を抑えることが可能です。
※以下は一部の自治体です。
| 自治体 | 支援制度のポイント | 助成額(例) | 公式リンク |
| 東京都 北区 | 公正証書 ADR 保証契約費 | 上限 5万円(各) | 北区公式サイト |
| 横浜市 | 公正証書等 調停 ADR 保証契約費 | 公正証書等:上限3万円 保証契約費:上限5万円 など | 横浜市公式サイト |
| 群馬県 | 公正証書 調停 ADR 保証契約費 強制執行申立 | 公正証書:上限3万円 その他:各5~10万円 | 群馬県公式サイト |
制度は予算や年度によって変更される場合があります。必ずあなたの居住地の役所窓口(子ども家庭支援センターなど)で最新の要件や申請期限を確認してください。
助成制度を導入している自治体は、株式会社Casaの提供する養育費保証PLUSでも一覧が解説されています。
こども家庭庁のデータが語る「養育費不払いリスク」
「一度も受け取れない」リスクの重さ
子ども家庭庁の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果」を深掘りすると、以下の事実が判明します。
※母子世帯:母の養育費の受給状況
| 養育費の受給状況 | 割合 |
| 現在も継続的に受けている | 28.1% |
| 現在は受けていない | 14.2% |
| 受けたことがない | 56.9% |
「受けたことがない」世帯が56.9%も存在するという事実は、最初の支払いが全てを左右することを示唆しています。当初の段階で支払いの強制力を持たせていないと、相手側に「なんとかなる」という甘えが生じ、最初から最後まで支払いが履行されないという結果になりやすいのです。
養育費は「はじめの仕組みづくり」が肝
養育費の受け取りは、まさに「はじめが肝心」です。 曖昧な口約束は、結果的に「一度も受け取れない」という最も厳しい状況を招きかねません。
住宅ローンの有無や経済的な事情から、元夫側も大変だということは理解できますが、はじめに公正証書という法的強制力を付与することが、あなたと子どもの生活の安定につながります。
この「仕組みづくり」は、元夫の立場から見ても「支払いを強制される環境」を作ることであり、感情的には受け入れにくいかもしれませんが、長期的に見れば子どもへの責任を全うさせるための必要な制度設計です。そして、万が一公正証書があっても不払いになった場合に備えるための選択肢として、保証サービスの利用も検討してみましょう。
住宅ローンと養育費:離婚前の取り決めは「セット」で考える
住宅ローンは、離婚時に養育費の取り決めを複雑化させる最大の要因の一つです。ローンの形式によって、あなたが負うリスクと、必要な対策は大きく異なります。
住宅ローン形式別:リスクと対策
離婚前、住宅ローンの有無とその形式(名義)別に、今後のリスクと対策を整理しておきましょう。
| ローン形式 | 不安とリスク | 離婚前にすべきこと |
| 夫の単独 | 夫がローン返済を優先し、養育費の支払いを滞らせるリスク。養育費が不安定になる。 | ローン返済額と元夫の収支を考慮し、実現可能な養育費額を公正証書に明記する。ローンの残債についても取り決める。 |
| 妻の単独 | 妻の生活再建とローンの両立が困難になるリスク。養育費の確実な受給がより重要になる。 | 確実な債務名義を作成し、必要に応じて保証会社で万一の不払いに備える。財産分与でローンの清算を図る。 |
| ペアローン 連帯債務 連帯保証 | 最もリスクが高い。 離婚後もあなたがローンの返済義務(責任)を負い続け、さらに養育費が滞る二重の危機。 | 資産分与だけでなく、「養育費とローン分担」を公正証書に明記し、強制力を持たせる。 金融機関を交えた話し合いや名義変更・売却を検討。 |
ペアローン・連帯保証の深刻なリスク
ペアローンや連帯保証の場合、離婚後、どちらか一方がローンの返済を滞納すると、あなたが金融機関からローンの残債全額を一括請求される可能性があります。これは、養育費どころか自己破産につながりかねない、極めて深刻なリスクです。
対策として、以下の点も把握しておきましょう。
- 名義変更
どちらかの単独名義に借り換え(ただし審査が厳しく、難しい場合が多い) - 売却
ローンを完済できる場合は売却して残金を財産分与する。 - 免責
離婚協議書や公正証書で「今後一切、ローンの返済義務は負わない」と明記しても、金融機関に対しては法的な効力がないことに注意が必要です。名義の変更は金融機関との交渉や審査が必須です。
離婚前に準備すべき法的取り決め(公正証書化が最優先)
あなたの将来と子どもの生活を守るためには、必ず「債務名義」となる書面が必要です。これは、養育費が未払いになった場合に強制執行(給与や財産の差し押さえ)を行うための強力な根拠となります。
なぜ公正証書が必須なのか?
- 強力な強制力
裁判を経ずに強制執行が可能となる「執行証書」の効力を持つため、不払い時の対応が圧倒的に早い。 - 証拠保全
養育費の金額、支払期間、面会交流など、離婚時の重要な取り決めが公的に証明される。 - 相手への心理的抑止力
公正証書に署名することで、支払義務者に対して「支払わなければ給与を差し押さえられる」という強い心理的なプレッシャーを与える。
公正証書の費用補助は、多くの自治体で採用されています。
公正証書作成にかかる費用の相場と内訳
公正証書作成の費用は、主に公証人手数料と書類作成代行費用(行政書士や弁護士に依頼する場合)の二つに分かれます。夫婦間で争いがない場合は、行政書士に依頼することで費用を抑えることができます。
| 費用の種類 | 金額の相場 | 費用の仕組みと注意点 |
| 公証人手数料 | 数万円~10万円程度 | 法律で定められた基準に基づき算出されます。主に「養育費の総額」によって変動します。養育費以外の財産分与などの金額も合算されます。 |
| 証書の謄本代 | 250円/枚 | 証書の作成枚数に応じて発生します。 |
| 書類作成代行費用 | 5万円~15万円程度 | 行政書士や弁護士に離婚協議書の作成や公証役場との調整を依頼する場合に発生します。自分たちで書類を作成すれば不要です。 |
【養育費の公証人手数料目安】
例えば、毎月5万円を18歳まで(15年=180か月)支払う場合、養育費総額は900万円です。この総額に基づき、手数料率が適用され、約2万5千円~4万円程度の手数料が目安となります。
(※公証役場や総額によって細かく異なります)
費用対効果の考え方
数万円から十数万円の費用は安くありませんが、公正証書は将来数百万~数千万円に上る養育費を法的に担保する唯一の強力な手段です。不払いが発生して弁護士に依頼する費用や、調停・裁判にかかる時間や労力を考えれば、この初期投資は「必須の予防費用」として考えるようにしましょう。
必ず自治体の「手続き補助(助成金)」を活用して、この初期費用を軽減するようにしましょう。
養育費不払いに備える「保証サービス」の検討
法的な取り決め(公正証書)という土台を築いたとしても、支払いが滞るたびにあなたが精神的・体力的に消耗してしまうリスクは残ります。実質的な立替支援がない自治体では、保証サービスの選択肢も検討してみましょう。
保証サービスは、公正証書による強制執行手続きをさらに補完する、強力な選択肢となります。
養育費保証PLUSとは?サービス概要と要件
株式会社Casaが提供する「養育費保証PLUS」は、養育費が未払いになった際に、あなたに代わって保証会社が立て替えて支払ってくれるサービスです。これは、「公正証書があっても支払われない」事態に備える、いわば保険のようなものです。
株式会社Casaは、賃貸契約などの賃料保証でよく利用されている東証上場企業です。
| 項目 | サービスの内容とポイント |
| 保証の仕組み | 養育費が未払いになった際、Casaがあなたに立て替え払い。 その後、Casaが支払者(元パートナー)へ連絡を取ってくれる。 |
| メリット (心理的) (実務的) | 元夫との直接交渉や連絡を一切する必要がなくなるため、精神的なストレスから解放される。 |
| 保証期間 | 契約後、最大で36か月分の養育費を保証(立て替え)するプランがあります。 |
| 申込要件 | 公正証書、離婚協議書、調停調書などの法的な書面が必要です。 (公正証書化が前提) |
| 費用 | 初回保証料:養育費1か月分 月額保証料:月額3% ※最低1,000円 (自治体の助成を活用できる可能性があります) |
支払い義務者の情報(勤め先)があれば、元夫/夫の同意は不要となり内緒で加入することも可能です。
- 養育費の保証
※過去の未払い分は対象外です。 - 保証上限36カ月
- 法的手続き費用の保証
- 手続きはオンライン完結
申し込みは、離婚協議中でも可能です。利用には審査があるので、心配な方は早めに相談しておきましょう。
保証サービスの検討は「必要に応じて」
保証サービスは、初期費用や月額費用がかかります。そのため、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。
利用を検討すべき人
- 精神的負担を避けたい方
元夫との連絡を代行してもらえるため、ストレスから解放されます。 - 長期的なリスクに備えたい方
公正証書の執行手続きは時間がかかる場合がありますが、保証サービスなら即座に立て替え払いを受けられます。
コストが発生すること、そして支払者側の情報や資力に関する審査があることを理解した上で、利用を検討しましょう。
離婚前にあなたが今すぐ取るべき「実践5ステップ」
金銭的な不安を最優先に考えた、離婚前の確実な実践ステップです。
| 実践ステップ | 目的・理由 |
| STEP 1 養育費・諸条件の合意形成 | パートナーと養育費の金額、期間を合意する。これがすべての土台となる。 |
| STEP 2 自治体の支援制度を調べる | 公正証書作成費や保証料の補助金の有無を確認し、費用の負担を軽減する準備をする。 (手続き補助の確認) |
| STEP 3 強制力のある公正証書を作成する | 最重要ステップ。 公証役場へ相談し、「強制執行認諾文言付の公正証書」を作成する。 |
| STEP 4 家計設計と住宅ローンの対策 | 養育費+ローン返済の両輪を前提に、将来の家計プランを立て、ローンの名義や返済計画を見直す。 |
| STEP 5 必要に応じて保証サービスの検討 | 作成した公正証書を基に、Casaなどの保証サービスへ相談・申し込みを行う。 (不払いリスクへの最終防衛策) |
離婚後の生活を安定させる他の支援
離婚前だけでなく、離婚後の生活を安定させるための公的な支援も知っておきましょう。これらは養育費を補完する重要な生活の基盤となります。
経済的な支援制度
- 児童扶養手当
ひとり親家庭の生活の安定と自立を助けるための手当。所得に応じて支給額が決定されます。 - ひとり親家庭医療費助成制度
ひとり親家庭の親と子どもが医療機関を受診した際の自己負担額を助成する制度。 - 住宅手当(自治体による)
一部の自治体では、家賃の支払いを補助する制度があります。
心理的・自立支援
- 母子自立支援員
役所の福祉課などに配置されており、就業や生活に関する相談・支援を行います。 - ひとり親家庭のための就業支援
資格取得の助成や、就職活動のサポートなどがあります。
遠慮せずに自治体へ相談することが大切です。
あなたと子どもの未来を守るために
養育費不払い金について国が援助してくれるのか?という疑問への答えは、「原則、全国共通の制度はないが、明石市、さいたま市など例外的に実質的な立替支援がある」ということになります。
まずは自治体の公式サイトにて、「養育費援助」と検索してみましょう。
養育費のチェックリスト
- 土台を作る
離婚前に「公正証書」という強力な法的土台を必ず作りましょう。 - 支援を確認
自治体の補助金(手続き補助)を調べ、初期費用を軽減しましょう。 - 選択肢を持つ
公正証書があっても不安な場合は、Casaなど保証会社のサービスを強力な選択肢として検討し、精神的な安心を手に入れましょう。
住宅ローンの問題があっても、養育費の確保は最優先でセットで取り組みましょう。将来への不安を減らし、子どもに安心を与えながら新たな生活基盤を構築していきましょう。
- 養育費の保証
※過去の未払い分は対象外です。 - 保証上限36カ月
- 法的手続き費用の保証
- 手続きはオンライン完結
- 元夫/夫の同意は不要
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